夜明け


100612

スタジオを出たら、朝になってた。
朝までコースは久しぶりだなあと思いながら、
初夏の夜明けが気持ちよくて、
レコーディングデータの入ったHDDのケースをしっかり抱きしめて、
しばし青山通りを歩いた。
昔、この時間に街を歩いてた時は、
100%酔ってたなあなんてことも、不意に思った。

トラックダウン終了。
終わって握手したエンジニア広兼くんの手のあたたかさに、ありがとう。
歌が素晴らしい、と、広兼くんにそっと伝えてくれた、
ダルビッシュに似てるスタジオのアシスタントくん、ありがとう。
あたしがあまりにもくたびれた顔してたのか、
黒糖飴をくれた帰りのタクシーの運転手さん、ありがとう。
松見坂の交差点でキスしてたカップルも、ありがとう。

わけのわからない思いでいっぱいになりながら、
どんどん明るくなっていく空を追いかけるみたいに家に帰ると、
息子が熱を出してた(笑)。

残す行程はあとひとつ。
新しいアルバムにも、もうすぐ朝が来ます。