SIONと野音と満月と


101023

開演直前の、日比谷野音。

オープニングは「光へ」。
「住人〜Jyunin〜」を聴きながら地下鉄に乗って、
「光へ」の途中で到着したので、
ちょっとガッツポーズ。

25年前の「新宿の片隅から」も、
25年後の「燦々と」も、
同じ光と影で輝いてた。

いい年して、力み返ってるのが好き。
「楽しんで」「楽しいなあ」と言いながら、
ギリギリのテンションで、ギンギンに尖ってた、歌。
このひと、楽しんでなんかいない、と思った。
そこを越えたら、もしかしたら楽しめるかもしれないと、
ただ必死で、ただ切実で、そして決してあきらめない。
そんなふうに生きたいと、いつも思う。

色んなこと思って、どんどん胸がざわざわして、
本編ケツの「マイナスを脱ぎ捨てる」で、
あたしはついに20年ぶりくらいに、
拳を振り上げて一緒に歌ってしまったのでありました。

途中ふと振り返ると、
客席後方から月が昇ってきていた。今宵は満月。
ああ、たぶんステージからはいい眺めだなあと思いながら、
あたしも生きてるうちにいちどくらい、
日比谷野音でライブやりたいなと、大それたことを思った。
無理とか無茶とかカンケーなく、
いっこくらい大それた夢があったっていいじゃん、と思った。

SIONの、野音の、満月の、魔法。

今見たものについて、誰かと話したい、
ああだったね、こうだったねって、
酒飲んで、朝まで話したい、と、
帰り道痛切に思った。
いいライブだったんだ、なあ。