あたしが花粉症デビューしたのは、93年春。
デビュー直前の忙しい時で、
目はかゆいわ、くしゃみは止まらないわで、もうさんざん。
ところが子どもを産んだら嘘みたいに症状が軽くなって、
いちおう用心で医者で薬はもらうけど、
飲むの忘れてるうちに春が終わっちゃったりという年も。
出産で体質変わることがあるって、ホントなんです。
子どもと一緒に、余計なもの出ちゃうらしい。
震災から4週間。
いま、出来ることのすくなさに、
日本中で言葉を失ってる人も多いと思う。
あたしも、そのひとり。
追い討ちをかけるような大きな余震で、
頑張れ、という言葉のむなしさを、
いちばん感じているのはたぶん被災した方々だろう。
もしそれですこしでも気が晴れるなら、
頑張らないで、
ネガティヴを、理不尽を、汚い言葉を、絶望を、
せめて、遠慮なくぶつけて欲しいなあと思う。
ふざけんな、でもいい。
こんな時に歌なんか歌うな、でもいい。
行儀よく我慢しなくていい。
家も家族も街も流されていないあたしたち。
同情でもなく、あわれみでもなく、施しでもなく、
ただ、受けとめたいと思う。
新しいものが産まれるために、
いらない気持ち、余計な気持ちも一緒に出しちゃって下さい。
受けとめるから。
そしていつかうんと時間が経って、
みんな元気になる時が来たら、
あの時受けとめるしか出来なかったあたしたちを、
それぞれにしかわからない痛みを、
思うしか出来なかったあたしたちを、
もし出来るなら、許して下さい。
なんて思うことも、自己満足かもしれないけど。
最前線のリアルは、分け合うことは出来ない。どうしても。
「頑張れ」を、
正しいターゲットにロックオンしたい。
レゴブロックみたいに、簡単におうちは建たないけど、
おうちを待ってる人じゃなくて、
おうちを建てるために力を尽くしてる人には、
心から「頑張って」を送ります。
無力感でほんとうに無力になりそうな自分にも、
「頑張らんか、おい」とハッパをかけながら。