ありふれたちいさな奇跡について


出発の東京はこんな天気だったので、
家を出るとき、傘を持ってくべきか悩んで、
まあ、行ってから考えようと思ったわけで。

そしたら福岡空港、青空が迎えてくれたわけで。

うれしいなあ、よかったなあと思いながら天神に着いたら、
おおお、山笠!

ごまさば定食、ごはんとお味噌汁お代わりでシアワセになり、
筥崎宮の神さまに勝利祈願のお参りをして、
1年4ヶ月ぶりの箱崎水族館喫茶室。

ここのタフなピアノが好き。
前回は2月で乾燥した時期。
今回は雨の季節で、さらにすこし重さを増した鍵盤。
弾き心地の好みは人それぞれだけど、
私のように引っぱたくタイプの人間にとっては、
これくらい負荷があった方が弾いてる感じがしていい。
どれだけ叩いても応えてくれて、抜いたらすっと抜けてくれて、
今回も一緒に歌ってくれてうれしかった。
ありがとう、福岡の相棒。

そして、雨を越えて会場に集まってくれた皆さん、
ほんとうにありがとう。
「STAY FOOLISH」届いてますか。届いてるといいな。

会場店主の方が山笠の盛り上がりを、
「福岡、ラテン系なのでねえ」とおっしゃってて、腑に落ちた。
無粋な坂東武士にとって、
九州の情の濃さはいつもなんだかとても心地よい。

飛行機さえ飛べば私は全然行ける、と思ってたけど、
心配だったのは着いてみて、「歌なんか歌ってる場合じゃないよ」
だったらどうしようかなということだった。
幸い私が訪れたあたりはいつも通りの日常で、
地元のファンの皆さんも無事会場にたどり着いてくれた。
土曜日は結局一滴も雨降らず、会場店主ご夫妻も、
「昨日までしっかり降ってて、今日も降るって言ってたんだけど、
よかったですねえ」と穏やかに笑いながらおっしゃってくださって、
ああよかったなあと感謝。
災害に見舞われた地域では、実際「歌どころじゃない」
という状況だったと思う。
どうか持ち前の明るくて強い気質で、一日も早く復興・復旧されますよう、
東京からお祈りしています。

本番終わって、心地よくへとへとになって、
ひとり屋台、帰りたくないよーとぶつぶつ言いながら、
豚バラでコップ酒をいただき、最後泣く泣く〆て。

一夜明けて、雨の太宰府天満宮。
いちおう受験生の母で、もはや神頼みしかないという状況なので、
今年はマジでガチで陳情参りしてきた。
奮発して絵馬も書いた。
スガワラさん、頼んだばい。

太宰府をあとにする頃には雨も止んで、
結局最後も青空に見送られて東京に戻った。

おなかいっぱい、胸いっぱい。
九州ラブ。またきっと会いましょう。
アルバムを作れたこと、
あんなにたくさん雨が降ったこと、
飛行機が飛んだこと、
皆さんが会場に来られたこと。
すべてが奇跡だった。
ごくありふれた、みんな見逃してしまうような、
でも、確かに、奇跡だった。
気づけてよかった。ありがとう。

さて、「STAY FOOLISH」を届けるツアー、
残すは7/17ファイナル札幌。
ついに名も無い雨は降るの、か!?

JOURNEY2017 early summer
「名も無い雨のように」
7.8 福岡 箱崎水族館喫茶室

01.尽きせぬ思い
02.風の背中
03.ダイヤモンドダスト
04.サヨナラ
05.祭りばやしが聞こえる
06.ひといろ
07.春のように
08.答えのない悲しみを
09.感傷
10.I know
11.Journey

E.C
01.ひとり
02.きれい