単純に、部屋の本棚が決壊した、ということなんだけど、
しばらく前にトイレに棚を作って好きな本を並べている。
これはもう完全に自己満足自給自足の世界で、
ただただ私がトイレに入るたびにうっとりする、というため(笑)
装丁がきれいなものだったり、読んで、素敵!と思ったものだったり、
気分によって時々入れ替えて、悦に入っている。
神さまに感謝したいことがあるとしたら、
本の虫で酒飲みだったということ。
これは、誰かに教えてもらうことでもなく、
誰かに教えられることでもなく、
強いて言うなら、才能、だと思っているので、
ささやかな私の人生の中で、あくまで個人的に燦然と輝いております。
誰かにほめられることでもないしね。
息子もそうだといいなあと思うけど、
本の虫までいかないな、幼虫くらいかな。
酒飲みの才能はあるといいなあと思うけど、
これからの時代、ない方がいいのかもね。
むかーし住んでた家の近所に昔ながらの古本屋があって、
ぎっちり本の詰まった本棚の奥のレジでおばあさんがいつも居眠りしてて、
はみ出して床に積まれた本の上で太った猫が寝ていて、
それは私の理想の老後像だった。
本を開くたびにかすかに感じる、紙とホコリの匂い。
あの頃の記憶の匂いなのかもしれないなあ。
鷺沢萠さんがどこかで、
もし読むものがなくなったら、スーパーのチラシの裏でもむさぼり読む、
と書いていて、
おお、活字ジャンキー、と、ちょっと涙出るような気持ちで頷いたことがあった。
紙でも電子でも、いいの。
読めるものならきっと読む。
飲めるものなら、なんでも飲む(笑)
とりあえず、私が死ぬまでは、トイレ文庫でなんとかなると思うし。