秋の夜長


秋、と言うよりもう冬ですが。
おおさぶ。

最近読んだ本。

デニス・ルヘイン「運命の日」。

thegivenday

前作「シャッター・アイランド」がディカプリオで映画化されるらしい、
デニス・ルヘインの新作は、驚くなかれ時代物だった!
実際にあったボストン市警のストライキや暴動を軸に、
ぶきっちょな主人公のカップルをめぐって一応事件は起きるけど、
ミステリと呼ぶにはあまりにも骨太でシリアスな物語。
エルロイもそうだけど、どうしようもなくねじれて、
そのくせピュアなオトコとオンナに弱いあたし。
ていうか、ディティールはどうあれ、
結局オトコとオンナがうまく書かれてる小説はいい。

レイモンド・チャンドラー「ロング・グッドバイ」。

longgoodbye

10代の頃「風の歌を聴け」でつまずいて以来、敬遠してきた村上春樹さん。
読まねばなあと焦りつついまだに手を出しかねて、
とりあえずカポーティとかカーヴァーとか、
村上さんが翻訳したものを読んで、お茶を濁している次第。
なんにも引っかからず読めてしまうあたり、文章の達人なのだなあ。
清水俊二訳の「長いお別れ」を読んだのは、もうずいぶん前。
チャンドラーこそまさしく、言うに言われぬオトコとオンナのねじれっぷり炸裂。
「さらば愛しき女よ」も村上訳があるらしい。読んでみたいぞ。

マイケル・カニンガム「星々の生まれるところ」。

hosibosi2

前作「めぐりあう時間たち」も、
時代を股にかけたタペストリーのような小説だったけど、
新作はさらにスケールアップ。
ホイットマンの「草の葉」という詩を軸に、過去から未来まで。
歌はどんなに頑張ってもショートショートなので、
こういう長いタイムスパンでものを考えるってすごいなあと思う。
哀しくて美しい未来のイメージに胸が詰まった。

パトリック・ジュースキント「香水」。

parfum

語り口が絶妙。
エロくてグロくて、オチもかなり効いてます。
匂いを想像するって、なんか五感にダイレクトというか、
感覚的と言うより肉感的なんだなあと思った。
映画も見てみたいな。

トム・ロブ・スミス「チャイルド44」。

child44

いやすごい。やばい。これはすごかった。
ロシアでは発禁だそうです。気持ちわかるわ。いやすごい。

綾辻さんが新作「another」と「迷路館」の新装版送ってくださったり、
読むもの多くてうれしい。
喉が渇くみたいに、カラダが活字を欲しております。
ココロのフィルターで濾過したのち、
新しい歌が生まれますように。