月光

金曜日の夜だから
終電間際の車内は混み合って
肩を抱くように伸ばされた
見知らぬ誰かの腕にそっともたれた

こんなふうにしか終われない
一日をあと幾つ
繰り返す日々のその果てに
描いたものは はるか遠く

とめどなく流れ落ちて行く
押さえた指の隙間こぼれるまま
淋しさを言い当てるように
折しも今宵 月は満ちた

長く長くこらえていた
息を吐き出すみたいにドアが開いて
放り出されたホームには
見慣れた自分の影 そっと揺れている

こんな日もあると慰めて
一日をあきらめて
軽いつながりにすがっては
ひとりじゃないと言い聞かせてる

音もなく肩に降り積もる
月の光は何も答えぬまま
くるしさを見透かすように
街の明かりがひとつ光った

とめどなく流れ落ちて行く
押さえた指の隙間こぼれるまま
音もなく肩に降り積もる
月の光は何も答えぬまま
淋しさを言い当てるように
折しも今宵 月は満ちた
折しも今宵 月は満ちた