ここはなんてあたたかくて

終わりそうにない冬 立ちはだかる風
見知らぬドアが開く やわらかい光の中から

なつかしい声が言った
おかえり 待っていたよ

ここはなんてあたたかくて
やさしい人ばかりなのだろう
すこしだけ眠ろう
慣れてしまえばきっとここも寒くなる

抱きしめられるたび 聞こえてくる声
そこじゃないとささやく そしてまたひとりが始まる

騒がしい街の中で
かたく耳をふさいで

ここはなんてあたたかくて
静けさに満ちているのだろう
すこしだけ眠ろう
慣れてしまえばきっとここにもいられなくなる

束の間で はかなくて
その記憶で生きて行く

ここはなんてあたたかくて
すべてを忘れてしまいそうで
今はただ眠ろう
またいつの日か風の街に出て行く

ここはなんてあたたかくて
永遠すら信じてしまいそうだ
今はただ眠ろう
またいつの日か風の街を目指すまで

ここはなんてあたたかくて