春の日

もういちど会えるなら まだ浅い春の日がいい
街中がひそやかに 出会いや別れの支度をする頃

偶然をよそおって ありふれた街角で
まるで見知らぬ他人のように もういちどはじめから恋を

もういちど会いたくて まだきっと間に合う気がして
会いたくて 思い出は 遠ざかるほどにあざやかな影

突然のさよならに 泣くことも出来ないままに
道に迷った子供のように それでもあなたが好きだった

もういちど会いたくて 言葉にはならなくても
人混みの中消える背中に 何ひとつ変わらない恋を
あなたへの終わらない恋を