110510

かねへんにつつむで、かんな。

ウチのダンナはデザインの仕事をしているが、
ものを作るのが好きで、木工は趣味のひとつ。
我が家のテラスには、
使途不明の木材や板きれが常時ごろごろしている。

注文していた新しい鉋が、
今日、郡山の道具屋さんから届いて大喜びのダンナ。
素人なのでもちろんそんな高いお品ではないんだけど、
今まで使ってたのに比べて、全然おっきくて、ずっしりと重く、
おおーっまっすぐ削れるーとか、おおーっなめらかだーっとか言いながら、
夢中で木を削ってた。

ダンナ曰く、
鉋掛けはとにかく平らにまっすぐに削るということに尽きるので、
やってると無心になれる、雑念を払える、とのこと。
そういえば、しばらくやってなかった材木いじり、
震災の後、思い出したように始めたんだった。
思いがけずリフレッシュになったらしい。

いつかあれを作ろう、という見えない目標を持って、
目の前の地味な技術を磨くことにひたすら没頭する。
考えてみたら、これは今とても贅沢なことかもね。
震災関係なく、その前からもう、
待てない時代になってた。
すぐに答えを欲しがる時代になってた。
震災後、それはさらに加速している。

見えないものに、思い上がりたくないと、あらためて思う。

なので、
ひたすら鉋掛けに熱中するダンナに、
「それは一体何を作っておるのか」と、
わあわあ言うのはなるべくやめよう、というわけで、
明日からも我が家のテラスには、
なめらかに美しく削られた使途不明の木材が、
どんどん増えて行くことと思われ(笑)