火を運ぶ


110503

マッカーシー作品としては、
「すべての美しい馬」とか「平原の町」の方が好きなんだけど、
メッセージのわかりやすさと気高さで、
この作品がピューリッツアー賞なのは理解出来る。

災厄の時にあって、
生き延びる、ということは、どういうことか。
誰のために、何のために、
その正義を、その勇気を行使するのか。
守るべきものとは、何か。

「みんなはいつだって明日のために備えをしていた。
わしには意味のあることとは思えなかったよ。
明日のほうは人間のために備えちゃくれなかった。 」
(本文より)

今読み直すのはしんどいかなあと思いつつ、
読み始めたらやっぱりほとんど一気読みしてしまった。
音楽もそうだけど、
出会うべき時に出会えた幸せ。
今、この父と子の物語を知っててよかったなと思う。

「パパと一緒にいたいよ。
それは無理だ。
お願いだから。
駄目だ。お前は火を運ばなくちゃいけない。」
(本文より)

では、明日、会える人はママドンで。
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