はじめに。


「行き先はボールに聞いてくれい」第1球

 このご時世、いまだにケータイ持ってないコンピュータ持ってない、ないない尽くしの私である。頼みの網、じゃない綱だった「ROOM493」のホームページも終わっちまって、ついに人間陸の孤島と化したか・・・と思いきや、日本でのムコ捜しをあきらめ、語学留学という皮をかぶった女狐と化し、青い目をゲットするべくメリケンへ旅立ったあきらめの悪い関西人こと元マネージャーが、私のホームページを作ったという。妹のコンピュータで(うちの妹は、コンピュータもケータイもちゃんと持っている)どれどれと早速覗いてみると、レアな写真を使うなど、努力の跡は見られるものの、内容はファンクラブの会報のスライド登板である。ま、青い目探しに忙しいことだろうし、かわいそうなので、なんか書いてやることにした。

ところで、妹の端末でこのホームページを覗きがてら、ファンの人が作っているページも覗いたら、アンケートみたいなのがあったので、答えて、妹に送ってもらった。名前ー篠原美也子、で送ったけど、信じなかっただろうなあ。よく、コンピュータの匿名性とか言われるけど、なるほど、こういうことなのね、と実感。この文章にしても、ほんとに本人が書いてんのお、と疑いたい人は疑えばよろし。我こそは、正真正銘、無く子も黙るシノハラミヤコ様である。本人が言うんだから、間違いない。

 辰吉がリングから去り、ジャイアンツは今年も優勝を逃したが、目下私は、ワールドカップ、ワールドカップ、と浮かれ倒している。わーるどかっぷう? 次は2002年だろーがよ、などと寝ぼけたことを言いたれているオレオレ人ども、よおく聞けい。フットボールはフットボールでも、ラグビー式フットボールじゃ。5月のパシフィックリムで見事優勝を果たした我らが平尾ジャパンが、楕円球の聖地と呼ばれるウエールズで行われる第4回ワールドカップに、いよいよ乗り込むのである。

 8月20日、国立競技場。息が詰まるほど蒸し暑い真夏の夕暮れ、地下鉄を降り、外苑西通りを走りに走って、キックオフ直前、私はスタンドに飛び込んだ。スペイン代表との、ワールドカップ壮行試合。大畑、増保のトライもあって31対7と快勝し、平尾監督、主将のアンドリュー“アンガス”マコーミックの挨拶もあった試合後の壮行式まで、大いに堪能したのだが、それとは別に、思いがけず、なんともうれしいことがあったのだ。
 前半終わってハーフタイム、喫煙しよ、と通路に出ると、売店やトイレの混雑とは別に、何やら人だかりが。近付いてみると、地面にジャパンのジャージーと同じ柄(赤白の横縞に、桜のマーク)のでっかい応援旗が敷かれ、マジックがたくさん置いてあって、みんな思い思いのメッセージを書いているのだ。うわーいとばかりに、私も早速メッセージと名前を、どきどきしながら、でもちょっぴり誇らしいような気持ちで書いた。何て書いたかは内緒。なんか、言うと負けそうでさあ(笑)。

 ここんとこ、ラグビー場に行くたびに、ワールドカップ観戦ツアーのちらしとかをもらって、えーん行きたいけどでもお金ないよーと涙にくれていた私だが、これで心はウェールズ、選手と共にあるのだ! ああ、うれしい。

 第4回ラグビーワールドカップは、10月1日、ウェールズにて開幕。日本の緒戦は10月3日、対サモアである。ほんとうに、ほんとうに、心から健闘を祈りたい。

 さて、この殴り書き類思いつき科雑文は、とりあえず不定期連載。私が気が向いたときに、書きたいことだけを書く。くれぐれも油断めさるな。

 ちなみにタイトルは、ヤクルト若松監督の秘蔵っ子で、球はめっぽう速いが、最近まれに見るノーコン、五十嵐亮太投手に感動してしまったので。いいんだよ、ストライクゾーンなんか。古田がなんとかしてくれるって。

last up date 1999.10.30