桜に雨の降る如く


1404211

—— 願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃

という西行法師の歌が好きなのだけれど、
これは、満開の時じゃなくて、 咲くぞ、咲くぞ、あとちょっとで咲くぞ、
という時に書かれたんじゃないか、 と、ふと思ったりする。

咲いた花もきれいだけど、
つぼみがいっぱいにふくらんで、あちこちでフライングのピンクがちらちら見えて、
ああこの感じ、いいなあ、と今年思った。
もうすぐ。きっと。この瞬間を希望と呼ぶのだなあと、
沁み入るように思った。

去年の春は怒濤の20周年騒動で、ゆっくりお花見気分でもなかったので。
今年は静かに、とても静かに、春に挨拶出来ました。

そして何があろうと絶対「咲く咲く詐欺」をしない桜はエラいなーと思った(笑)
時間もまた然り。過ぎて行かない時は無く。

日付が変わった頃、東京は雨。
今年も雨の祝福を受けながら、421を過ごしました。
覚えていてくださって、お祝いの言葉をくださった皆さん、ありがとう。
22年目に入りました。

桜に雨の降る如く、過ぎて行かない時は無く。
そこで何をしよう?

とりあえずは、約束のない春に、乾杯です。