さいはての空


明け方ふと目が覚めて、窓の外を見てびっくりした。

130905

雷がごろごろ鳴って、時々光って、雲に覆われて、
でも朝焼けのオレンジが透けて見えて。
この世の果てかと思うような、空だった。

本屋で未読作品を見つけると手当り次第に買って、
鷺沢萠さんを読み漁っている。
たくさんのエッセイ、悲しい物語だけど「さいはての二人」も良かった。
気持ちのどこかに、
今更ながら、この若くて輝かしい才能を持った人が、
なぜある日生きるのを止めてしまったんだろう、という問いが常にあって、
無意識に、書かれたものの中に答えを探してしまうけれど、
当然のこと、そのような痕跡はどこにもない。プロだから。
そこにはただ良い作品があるだけで、
でも、もしかしたらそのすべてが痕跡なのかも、と思ったりもするけれど。

「頑張る」だけでは追いつけないものがこの世には山ほどあって、
それはもうどうしようもないほどの真実だ。
(「過ぐる川、烟る橋」より)