ハイヒール


うっかり読む本を切らしてしまって、
本棚を掻き回してふと目についた森瑤子さんの短編集を手に取った。
ものすごく久しぶりに読み返して、ちょっと愕然とした。
あの頃、ハイヒールで背伸びするみたいな気持ちで憧れ倒した女主人公たちは、
みんな私よりひと回りも年下になっていた。
その物語を書いた森さんの年齢さえ、いつの間にか越えていた。

森さんの小説にハマっていたのは20代の始め頃だから、当たり前なんだけど、
あらためてリアルに時の流れを感じて、すこし、せつなかった。
背筋を伸ばして歩くこと、人のせいにしないこと、潔くあること。
森瑤子さんの小説から教わったスピリット、
2枚目だったか、アルバムのあとがきに書いた気がする。
時は流れて、すり減ったり、くじけそうになったり、もういいじゃん、とあきらめそうになるけど、
ああ、思い出せってことだなと、思った。

森さんが52歳の若さで病気のため亡くなったのは、
私がデビューしてすぐのことだった。
そうか、森さんが亡くなって、もう20年なんだ。

背筋を伸ばして歩くこと、人のせいにしないこと、潔くあること。
そんな気持ちで、明日は佐賀、あさっては福岡行きます。
明日は明日の歌、あさってはあさっての歌を、歌いに行きます。

ツアークレクレ先行、名古屋・札幌分はshopページにて受付中。
あさって6/16(日)深夜0時までとなります。
私の留守中に、次の約束、皆さんお忘れなく。
あ、あと、エントリー「旅の始まり」にいただいたコメント、
うれしかったのでちょびっとお返事させていただきました。

130614