届くまで


121012-1

先週末はお天気にも恵まれ、小学校の運動会。

高学年リレーの第一走者で、僅差の2着でつないだ息子。
選手入場で校庭を2周するのだけど、
「みんなが一斉に見るから、急に緊張して来ちゃうんだよね!」
と、あとで言ってた。
そうなのよ、たくさんの人に見られるって、結構しんどいことなのよ(笑)

途中、バトンの受け渡しに失敗して、大差の最下位となってしまったチーム。
アンカーの6年生は、バトンを受けると、
うををおおお、と吼えながら鬼の形相で走り出して行った。
わかるよ、と思ったら、どっと涙が出た。
届かないんだ。でも、全力で走るんだ。
これはきれいごとなんかじゃないよ。
全力で走るんだ。そんなふうに、生きて行くんだ。

と、例年通り運動会センチメンタルパワー充電完了。

121012-2

体育の日は、調布エフエム公開録音。
神部冬馬さん、sachi-eさんと。
神部さんは、イルカさんの息子さん。
中学生の時イルカさんのレコードを聴いていた私としては、感激のご対面。
お母さんのあたたかさと強さを受け継いで、冬の晴れた空のような方でした。
歌い手の息子ってどんな気持ち?って聞いてみればよかったな(笑)

そうこうしてるうちに、ワンマンまで2週間あまり。
例によってピアノの上が非常事態宣言。

121012-3

こないだの日本GPで3位表彰台となったF1の小林可夢偉選手が、
スポンサー不足で来季の契約が危うい、というニュースを見た。
平たく言うと、
「オレはドライバーでクルマのこと考えるのがシゴトなのに、
スポンサーとか金のこととか知らねえよ、オレのやるべきことじゃねーよ」
という可夢偉選手のコメントはせつない。
てか、モータースポーツ世界最高峰のF1界も、やっぱ今どき世知辛いのねえ。

包丁一本さらしに巻いて、天下御免のフリーランスとしては、
レコーディングでもライブでも、
オンガクをやるためにはオンガク以外のことを山ほどやらなきゃいけないので、
ものすごーくレベル違うけど、愚痴りたい気持ち、わかるよ、カムイくん、とちいさくつぶやく。
まつわるもろもろ、丸ごと楽しんで、なんて、きれいごとでしかなくて、
ドライバーはクルマのことだけ考えて、
音楽家は音楽のことだけ考えて、
それがいちばんいいに決まってる。
でも、世間も、時代も、そんなに甘くないんだな、これが。

ライブを楽しみにしてくれてる皆さんとは、たぶんひと味違う気持ちで、
私も本番が待ち遠しくてならない。
日々の果て、そこだけは何ひとつ入り込む余地のない時間。
一瞬の逢瀬に届くまで、全力で走るしかない。

バトンを落としちゃっても、最下位でも、
音楽に届くまで、全力で走るんだ。