残暑の読書


読書の秋、には程遠い暑さですが。

あまりにもつらくて、途中で何度も読むのをやめそうになりながら、
歯を食いしばって読了。こんなの初めてだ。
読んでよかったのかどうか、いまだに判断出来ない。
目をそらすな、的なきれいごとでは到底済まない、真実。

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ホロコーストもののあとにドイツ文学って皮肉な話ですが、
次に読んだのがこれでよかった。レンツ、素晴らしい。
人生はシビアで、ハードで、でも時々ぷぷって吹き出しちゃうから素敵。

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「でもパウラ、ぼくは仕事をしながらときおり自分自身が遺失物みたいな気がしてるんだよ」
「遺失物だとしても、あなたは楽しい遺失物よ」(本文より)

「矢が当たったのなら、抜くことができます。しかし、言葉は永遠に突き刺さったままなのです」(本文より)

レンツを読んだのは、同じくドイツのベルンハルト・シュリンクつながり。
この人の出世作「朗読者」は、私はわりとふーんって感じだったけど、
短編集「逃げてゆく愛」と、長編の「週末」は素晴らしかった。

私にとって読書は、逃げ込む、という色合いが強いので、
見知らぬ土地や歴史や文化を感じられる翻訳物が好きなのかも。

私の真似をして、最近息子が風呂でマンガを読むので困っております(笑)