かぶきもの


雨の銀座。歌舞伎座、何年ぶりだろ?
昔、カメラマンの友だちが市川右近さん(いまの右團次)を撮ってたことがあって、
そのご縁で何度か見せていただいた。
ちょうど猿之助さん(いまの猿翁。もうみんな代替わりしてるね)がスーパー歌舞伎をやった頃で、
「ヤマトタケル」は新橋演舞場で見たなあ。

な、なぜ!? という感じではあるのですが、歌舞伎版「風の谷のナウシカ」(2019年の再演だそうです)。
どんなもんか、と思ったら、シュール、ギリギリセーフ、これがなかなか面白かった。
セリフがほぼほぼ現代語でわかりやすいし、
音楽がテープのとこはちょっと興ざめするけど、柝の音響き渡り、義太夫、お囃子などちゃんとあり、花道も効果的に使われていて歌舞伎感も味わえるし。
そして、舞のシーンに限らず、手先足先まで行き届いた日舞の素養、型の威力すごい。
お相撲もそうだけど、私はそういう様式美が好きなので、いろいろ美しくてうっとりした。
ああまた普通の歌舞伎も観たいなあ。色がきれいなんだよね、とにかく。

歌舞伎稲荷神社。
建て替える前は中にあったっけ。いまは道沿いで、誰でもお参りできます。

歌舞伎座の裏。こんな素敵なお蕎麦屋さんが。

終演後は現代に戻り、銀座にもあった庶民プライスの居酒屋でシアワセ。
こないだ見た落語も、歌舞伎も、伝統芸能の底力すごいな。
人がつないできたものはやっぱ迫力ある。
思えば私も、かぶきもの、の端くれ。がんばります。