unwritten rules


勝たなくても校歌が聴けるようになったあたりから、
熱心に見なくなった高校野球だけど、
今年はちらちら眺めつつの夏だったなあ。

おにぎり握りまくりの女子マネも、
超スローボールのピッチャーも、
いいじゃないか。
生涯いちどかもしれない、その瞬間世界を手中に収めるんだ。

140901

走りまくってベスト8まで進んだ健大高崎。
10点差でまだ盗塁するのはいかがなものかと、一部批判の声あり。
その話の中で「アンリトゥンルール」というものを知って、
へえ、と思った。

unwritten rules。暗黙の了解。
大リーグの用語で、
すでに勝敗が決した試合で、バントだの敬遠だの盗塁だの、
まだやるか的なプレイをしないという不文律を指すのだそうだ。
ルールという言葉が使われているが、
言わなくてもわかってるよね?という、マナーの話。

10点差で負けても泣くのが高校野球だし、
それこそ生涯いちどかもしれない晴れ舞台で、
得意なことやり尽くさないでどうする、と思うので、
甲子園には当てはめづらいだろ、と思うが、
思想としては素敵だ。

敗者に不必要な追い討ちをかけない。
やり返してこないとわかってる相手に石を投げない。
それを暗黙の了解とするならば、
このご時勢その欠如を嘆く対象は、たぶん高校野球じゃないだろう。

言葉にしなかった言葉が語る多くのこと。
言葉ではなく、
言葉の奥に透けて見えるもの。

とめどなく、とりとめなく、
怒りと感傷が入り混じる午前3時。
セプテンバーレインのせい、ということで。

さあ、9月だ。