シンガーソングライター篠原美也子のオフィシャルウェブサイト

逆サイド

120630

息子が友達に誘われて学校のクラブでサッカーを始めたのは、
2年前、小学校2年生になってすぐのこと。
練習を見に行って、初めて間近で見た小さい子のサッカーは、
とにかく全員がボールに集まってすぐ団子状態になって、
これサッカーじゃねーじゃん、と笑っちゃうやら歯がゆいやらだった。
サッカーの試合はずいぶん見てたけど、その時初めて、
サッカーって競技は、
フィールドを広く使ってスペースを探して打開して行くものなんだとリアルに感じた。
プロの試合とかテレビで見る代表戦とか、
基本的にそのへん当たり前に出来ちゃってるから、気づかなかったんだよね。

とにかくボールに反応しちゃうケモノみたいなドリブラーもいいけど、
やたらボールに集まるだけじゃやっぱり点は取れなくて、
大きく開いてスペースに走り込んだり、
全体を見る目を持って指示を出したり、
時には大胆にサイドチェンジする人もいないとうまくいかない。
これはサッカーに限らず、人間関係にも重なる部分が多くて、
サッカーでも、日常でも、
フィールドでもつれている時に俯瞰で考えたり、冷静に距離感を測ったりすることはとても難しいけど、
それは戦術論や組織論にとどまらず、
立場や考えの違う人を思いやったり、自分に置き換えたりすることにもつながる大切なことだ。

子どものスポーツクラブって、
体育会精神を勘違いしてスローガン読んで威張ってる視野のせまーい大人が結構いて、
サッカー見てすこしは学べ、バカ、と時々言いたくなる。
スローガンも理想も結構なこと。
でもゴールに至るロードマップを誠実に提示して、
問題意識を共有する姿勢がなければ、サッカーも人もバラバラなままだ。
私はお世辞にも人間関係が上手な方ではないし、視野の狭さには自信があるけど、
目の前のボールに集まってわあわあやってるだけのいい大人を見ると、
子どもの方がよっぽどちゃんとしてる、と思う。
スペース見つけて走り込まなきゃ駄目なんだよ。

困ったり、行き詰まったら、ともかく逆サイドを見る。
リスクを背負って駆け上がる味方の姿を見逃さず、
時には自分がリスクを背負って駆け上がり、
それによって信頼を獲得する。
スポーツはこういうことを一瞬の判断で一瞬で達成するからすごいなあ。
人と人だとなかなかそういうわけにも行かず。

そのようにサッカーから学ぶことは多いので、
リフティングの練習もしつつ、がんばれよ、息子、と思う。
サッカーでも、日々の中でも、
困った時は、逆サイドを見るんだぜ。

ステージ、創作、
どちらも主観と客観が交錯するフィールドが仕事場である私も、
胸に刻んでおきたい。

逆サイドを見ろ。


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