【9/28京都ミューズホール】
東京から車で約6時間、前日の晩京都入り。当日は素晴らしい秋晴れに恵まれ、午後1時過ぎ会場に入る。初めての京都ミューズホール。何となくざっくりしたライブハウスを想像していたのだが、以外にもすっきりと落ちついた雰囲気の店で、ああちゃんと歌に集中できる場所だなと安心した。鈴里さんなつよと共にお昼は近所のうどん屋へ。風情のあるたたずまいのお店で、3人で京都気分を満喫する。店を出て鈴里さんとなつよは会場に戻り、私はリハまで時間があったのでぶらぶら買い物に。寺町通り、新京極。あちこちのぞきながら歩き回っているうちに、あれれ、ここはどこ?四条通の高島屋前からサトルくんに救助願いの電話をする(携帯を変えたばっかでスタッフの番号とかまだ入ってなかった・・・)。なんてこたあない、すぐ近所だった。
リハーサル。東京百歌はずっと同じPAさんでおまかせ〜とやっているので、たまに地方で違うスタッフにお世話になる時はいつも緊張してしまう。京都ミューズは初めての場所だったので、ちょっと場所見知りもしたかな。
リハ終了後、遅れて到着予定のスタッフから電話が入る。「シノハラさんっ、大変ですっ」またどっかにヒコーキが突っ込んだんかいなと思いきや、「長嶋退任ですっ」「ぬわにーっ!!??」(ちなみにこのスタッフ、私以上のジャイキチである)そして更に、「後任は原ですっ」大変だ大変だ大変だーと、私は楽屋からサトルくんリハ真っ最中のホールに走り(しかもステージを通って)、リハを中断させて皆さんにこの一大事を教えて差し上げた。みんなさすがにえーっと驚いていたが思ったほどのリアクションでもなく、はたとそうかここは関西文化圏だったと気付く。サトルくん、リハの途中失礼しました。
そんなこんなありつつ、開演時間。この日のライブは、大五郎さんと一番星☆哲也さんがやっている「京都酔歌」と百歌がドッキングする形で行われた。彼らの司会で出演者が紹介され、まずは全員が舞台でご挨拶。私は例によって車内爆睡用の小汚い格好で失礼ってかんじ。だって荷物多いの嫌なんだもん。東京を出る時「シノハラさん荷物それだけですか!?」と驚いていた鈴里さんはちゃんと靴まで持って来てて、えらいなあと感心した。
例のテロがあって、何人かの友だちが「『flower』タイムリーだよね」と言ってくれたこともあって、この日の1曲目は『flower』に決めていた。2曲目は『秒針のビート(live
version)』。8月の東京百歌で大五郎くんが作ってくれた京都百歌宣伝ヴィデオが披露されたが、そのあと彼は改めてヴィデオを作り、そのシノハラパートに収録されたのが『秒針のビート』のライブ映像だったので、もしかしてどこかで目にした人がいるかもしれないと思ったのだ。MCは「新監督の原です」から。当然まだ知らない人も多くこの一大事を説明して差し上げるが、思ったほどのリアクションでもなく、はたとそうかここは関西文化圏だったとまたもや気付く。3曲目は『ひとり』。リリースから8年、やっとこの歌を京都に届けることが出来た。ラストは8月に書いた新曲『約束』。テロ事件があってまず私がしたことは友だちにメールを打ったり電話をしたりすることで、真っ先に思い出した歌はこの『約束』だった。I
will find you.You will find me. たくさんの人が、瓦礫の下の自分の大事な人を、どんなにか見つけたいと願ったことだろう。私に出来ることは、自分の大事な人たちをちゃんと確かめること。対岸の火事という全くの無関心も頂けないが、まるで自分のことのように過剰に悲憤慷慨するのも不自然だと私には思える。
出演者が多かったせいもあるが、4時間を越える長丁場となったこの日のライブ。最後まで歌に集中してくれたお客さんたちに感謝。終了後、おいしい家庭料理を出す居酒屋に連れて行って頂き、食事をし軽く飲む。
【9/29心斎橋ミューズホール】
前日に続き、汗ばむような陽射し。京都から車で2時間ほど、お昼過ぎに会場に到着し、まずはみんなでかわ福のうどんを食べに行く。きざみとかやくごはん。基本でしょ。
京都に入る前日、日帰り新潟もあって少し疲れが出てきたのか、私は珍しく頭痛がしてなつよにバファリンを貰って飲み、がっくり眠くなったのをリポビタンDで叩き起こすという状態でやがて開演時間。「ねーさん、MC行くよー」サトルくんが迎えに来る。「うそ、MCやんのお」「さっき言ったじゃーん」どうやらぼんやりしていて聞き逃がしたらしい。信じてもらえないかもしれないが、私はあの前説と言うかMCが苦手である。別の言い方をすれば、ステージに歌以外の目的で立つのが好きでない。でもいざやれば反射的に喋り倒してしまうし、お客さんも喜んでくれるので気にせずやるが、正直言ってこの日は何とも気が進まなかった。ぼやけた頭、腫れぼったい顔、ステージに出てからガムを噛んだままだったことに気付いた。何を喋ったかあまり覚えていない。申し訳ない。
1曲目、『ジレンマ』。スタッフのひとりからリクエストがあって、急遽歌うことに決めた。リハの前ステージ裏でピアノのチェックをしたが、実際歌ってみるとちょっとキイが低く、練習し直す時間もなかったのでピアノのトランスポーズ(転調)機能を使ってこの曲だけキイを半音上げることにした。ボタンひとつで元に戻せるので次の『flower』に行く時戻すはずだったのだが、本番見事に忘れた。「あーどーんなにー」歌い出した瞬間半音高いことを思い出し、あわててボタンを押しキイを戻してやり直し。急ごしらえでやっぱりあやふやになった『ジレンマ』と共に、申し訳ない。MCは改めて「新監督の原です」。もうみんなニュースを聞いており、あたたかいリアクション。秋晴れには不似合いと言いながら3曲目『ひとり』。何をしても誰かに似ているようでなぜか不安で 言葉たちはいつかあやふやを愛して・・・ごーめーんっ!!こんなことは初めてである。もうしょうがないので、立ち上がってピアノの前にまわりすいませーんと頭を下げ、やり直し。皆さん大爆笑で許してくれてありがとう。申し訳ない。MC。ふと思いついて灯台の話をする。くり返す日々の中で、灯台の明かりは時に
は戦争を照らす。何とかラストの『S』を歌い終える。もう笑うしかないってかんじで最後の『百歌の歌』セッションではへらへらした気分。申し訳ない。
くそーぱーっと飲んでやるう、と張り切って打ち上げに臨んだところ、ここではいしのだなつよとスタッフがテロ事件について大激論。なつよはもちろん戦争絶対反対である。ふと神津島を思い出し、あんな平和な島で育ったらそう思うよなあなどと考えた。私と何人かのスタッフはもう一軒軽く飲みに行ったが、なつよ始めホテルに戻った面々は明け方まで熱く語り合ったらしい。ご苦労なことである。
【9/30名古屋E.L.L】
前日までとは打って変わってどんよりと曇った空。朝8時半過ぎに大阪を出て、お昼頃到着した名古屋は冷たい雨が降っていた。
E.L.Lの楽屋は広くて明るくて大好きである。イベンターさんが用意してくれたまだあたたかい天むすをみんなで頂く。ああおいしい。冷めてもおいしいんだな、これが。リハが終わって夕方またつまんでしまうんである。雨降りのせいもあって、ちょっと買い物に出たがほとんど楽屋でだらだらして過ごす。いまどきみんなパソコン持参なので、楽屋はちょっとしたネットカフェと化している。急に、「あの歌うたお」と思ってもすぐ歌詞をプリントアウト出来るし(all
lyricsが大変役に立っている)便利便利。ファンの人のHPを開くと、京都、大阪のライブに来てくれた人が書き込んでいた。最終日名古屋も頑張るぞーと私も書き込んだ。
この日はちゃんと心構えをしてオープニングのMCへ。なんだかんだ言って最近続けてやっているので、私とサトルくんの夫婦漫才も大分板に付いてきたかんじ。この時なつよの帽子を借りてかぶって出たのだが、楽屋では貸し借りが流行って、この帽子、エンディングでは藤重くんがかぶって出ることとなる。なぜかみんなでなつよの衣装チェックもやって、鈴里さんのジップアップベストが採用された。
移動の車の中で外の雨を見ながら、1曲目は『きれい』にしようと決めていた。雨は空も洗ったみたいで 今夜はやけに星がきれい 雨はますます勢いを増していたので、ライブが終わる頃星は見えないだろうなと思いつつ。2曲目はスタッフの思いつきで『Dear』。このご時世、親愛なる、という言葉は悪くない。MCはアンケートネタ。初めて私を見ていいと言ってくれる人の中で、「トークが面白い」という意見がが多いこと多いこと。まいっか。いつもたくさんの「おかえり」をありがとう。3曲目は『place』。続けて『ジレンマ』。正義の使者は信じ難い 悪ぶってばかりは青臭い ‘94年に書いたこの歌が21世紀にこんな形でタイムリーになるなんて。泣こうが喚こうが笑おうが、正義の旗印のもと戦いはくり返され、自衛隊機は中東目指して飛び立つ。あたしは好きな歌を抱きしめるように歌い、大事な人たちをしっかりと確かめる。もしも明日世界が終わると知っていても 花を植えよう、約束をしよう、そして愛を告げよう。どうか、その手を、離さないで。ツアーの締めくくりは初日京都のオープニングでもあった『flower』。
『百歌の歌』大合唱で上方百歌は無事幕を閉じた。外はいよいよ雨が激しくなっている。みんなで味噌煮込みうどん(赤味噌が苦手な鈴里さんはおしょうゆ味)を堪能したあと、一路東京へ。深夜車の中のテレビで、東京ドーム最終戦長嶋監督の最後のご挨拶を見る。雨に加え強風で、時折車がぶれるほど。高速を走りながらみんな異様なテンションで、「ちょっとエッチなしりとり(言い出し人藤重)」で盛り上がり倒す。旅の終わりが近付いている。疲れ切っているのに楽しくて仕方がなくて、眠くてたまらないのに眠りたくなくて、旅の終わりはいつもそんなふうだ。
≪上方百歌のシノハラ酒蔵≫
・日本酒
松の翆(京都)純米大吟醸
近つ飛鳥(大阪)大吟醸
福寿海(鳥取)純米吟醸
白真弓(岐阜)大吟醸
いの華(愛知)大吟醸
・ワイン
Chateau de Clairefont(フランス)1997赤
多謝。 |