from Miyako Shinohara
Extra Volum
シノハラミヤコのノーコンエッセイ
「行き先はボールに聞いてくれい」第19球
『2000.10.28に関する自問自答』

Q・日本シリーズも終わり。
A・日米野球も終わり。
Q・イチローはマリナーズヘ。
A・川崎はFA宣言。
Q・ドラフトも済んで。
A・球界はストーブリーグ。
Q・冬ですねえ。
A・そうですねえ。
Q・となると次は。
A・そう今年もそろそろ。
Q・週末ラグビー観戦シーズン到来!
A・イエ〜イ!
Q・もう2回行っちゃいましたもんね。
A・慶應対明治と、東芝府中対リコー。
Q・大学は今年も慶應強いですねえ。
A・全勝対決だったんですけど、圧勝しましたからねえ。ウィングの浦田君、かっこよかったなあ。
Q・社会人はサントリー強し。
A・東芝府中は今季から、先シーズンで引退したマコーミックがヘッドコーチに就任して、ま、建て直し中ですかね。リコーには大勝したけど、サントリーには大敗して、もう3敗してるんで。
Q・今年は何とか選手権に出て欲しいですよねえ。
A・ビミョ−なとこですねえ。
Q・競馬シーズンも真っ盛りで、マイルCSはまた万馬券だったわけですが(笑)、こないだの1曲目『名前の無い週末』、菊花賞見ながら思い出したってホントですか?
A・ハハハ。「何を言っても仕方がないから 今は笑ってしまおう」ってね。テレビでレース見て、あーあはずした−って思いながら、ふと。
Q・まさにそのものズバリの心境ですよねえ。
A・そおなんですよ。「つぎはぎだらけの言い訳は 余計やりきれないし」って、そ、そうだ、その通りだっ(笑)。
Q・『名前の無い週末』って、オケラ街道の歌だったんですねえ(笑)。
A・「何を言っても愚痴になるからこんな時はひとりで 週末の夜だけど誰にも会わずに」なんて、もう、くううーってかんじでしょ。
Q・うーむ、深い、深すぎる。
A・私も驚きました。
Q・ま、いきさつはともあれ、東京百歌では初めて歌いましたよね。
A・去年の12月のルミネホール以来ですから。どっかで歌いたい歌いたいとは思ってたんですけどね。
Q・2曲目もルミネホール以来の『Dear』でした。
A・これはMCでも言ったんですけど、結婚式がらみで。3曲目の『October moon』が、ライブの前日の知り合いの結婚パーティ用に書いた歌で、前にファンの人からの手紙に、自分の結婚式の時『Dear』を流しましたっていうのがあったのね。それで思い出して。
Q・『October〜』は、良かったっていうメールも来てました。
A・いっちょ泣かせてやっか、ってかんじで書いたんですけどね(笑)。でもほんとにデビュー以来ずーっと付き合いのあったスタッフだったんで、思い入れもあったし。「歌って欲しい」って頼まれて、すぐにすっと出来ました。
Q・泣かせ、は成功したんですか?
A・いや、知り合いって新郎だったしね。でもあとで、「いやーやばかったよ」って言ってました。
Q・4曲目は、これも新曲の『スクランブル』。
A・MCで言いましたけど、オリンピックでヤワラちゃんが金メダル取ったときの「初恋の人にようやく会えた」っていうコメントがずーっと気になってて、考えてみると、あたしもずいぶん長いこと、音楽ってもんに恋をしてるようなもんだなと。で、結局のとこは延々と片思いで、いつかあたしも心から「やっと会えた」って言える日が来るのかなって思ったら、ちょっとせつなくってね。ま、どのみちこれからも、長い恋が続くのは間違いないと思うんですけどね。
Q・それをラブソングに置き換えたと。
A・ハイ。ずっと好きだった人にばったり出くわして、やっぱりこの人が好きだなあって思うみたいな。ただ、メロディとかちょっと軽すぎたかなあ。このテーマでは、またなんか書くかもしれない。
Q・最後は『ひとり』。
A・また雨降っちゃったんで(笑)。『名前の無い週末』の話じゃないですけど、歌って育つっていうか、書いてる本人も気付かない側面をいっぱい持ってるもんで(笑)、歌っててたまに、あれっこれこんな歌だったっけ?って思うこと結構あるんですよね。そういう意味で、『ひとり』は飽きない。リアルタイムで響いてくるものがいつもあって、我ながらやっぱりこれはいい歌なんだなあって思います(笑)。
Q・ライブレポートにもありましたが、キレのあるストレート健在ってかんじですか。
A・そうね、真っ直ぐで勝負できるうちは、まだ行けるかなと。
Q・もうこんな歌書けませんね。
A・書けない。昔はそれなりに、いつか『ひとり』を越える曲を、って力んだ時もあったけど、今はとにかく、『ひとり』っていう歌があって、今も心からいいって思いながら歌えてるってことに、ただただ感謝です。第一、越える越えないっていうこと自体が、今私の中であんまり意味がない。
Q・謙虚ですね(笑)。
A・年取ったんですよ(笑)。
Q・早いもので、7回目の東京百歌になりましたが、全体としてはいかがでした?
A・うーん、今回は、個人的にはちょっと声のクオリティが低かったかな−と思ってます。
Q・声。
A・うまく説明出来ないんですけどね、特に調子が悪かったとか、声が出てなかったっていうわけじゃなくて、単純に、ベストから比べると7、8割の声だったなあと。
Q・もともとノドは丈夫ですよね。
A・おかげさまで、ほとんどトラブルらしいものもないまんま歌ってきました。ただやっぱり、体が楽器なんで、だんだん衰えるし、歌い始めたの17才ですから(笑)、そういう若い時から比べると、一度荒れると復活が遅いし、ちょっとした体調の良し悪しに左右されやすくなってきてます。こないだも、前の晩結婚パーティで、多少疲れてたかな。でも9月に2連チャンやった時は、2日目の方が調子良かったりしたし、何とも言えないんですよね。
Q・ビミョ−ですね。たしか、「magnolia」のツアーブックレットのあとがきに、高い方がだんだんキツくなってきた、みたいなこと書いてありましたね。
A・ハイ。私もともと熱唱型で、ノドも丈夫でしたから、昔はとにかくギリギリの高さで張れるだけ張って、時々ガーッとひずませてシャウトするみたいなのが好きだったんですけど、さっきも言ったように、だんだん衰えますんで。
Q・声が出なくなってきてるって、ショックじゃなかったんですか?
A・ぜんぜん。
Q・真田広之?
A・そう、和イスキー禅(笑)。別に何とも思いませんでした。キイ下げりゃいいじゃんてかんじで。あとがきにも書きましたけど、ああこうやって歌いながら年取ってくんだなあって思ったら、むしろうれしいような気がして。
Q・古い歌は大体キイ下げて歌ってますもんね。
A・こないだだと、『Dear』が半音下げかな。『週末』と『ひとり』はオリジナルで何とか歌えてる。『週末』は最後結構高いんで悩んだんですけどね。1音だと下がり過ぎちゃうし、半音下げだとDフラットっていう、黒鍵いっぱいのイヤーなキイになっちゃう。で、キイはそのままで、歌い方を少し抑え目にしてみました。
Q・キイ設定って、実は大事なんですよね。
A・「Vivien」を作ってる頃に気付き始めたんですけど、もちろん高さと、あとはCとかDとかそれぞれのキイの響きがあるんで、それによって曲の雰囲気が左右されたりする。サザンの歌にもあるけど、「C調」いわゆるハ長調、黒鍵ゼロの調、パカーっと抜けてて、良くも悪くも明るくてバカっぽい(笑)。私の歌で言うと、『Life is a Traffic Jam』がCなんですけどね。
Q・なるほど。
A・そんなわけで、『週末』みたいな真っ直ぐなかんじの歌は、なるべく簡単なキイがいいってことなんですわ。
Q・ギリギリでしぼり出すかんじもいいですけど、少し下げてゆったりもいいですよね。弾き語りっていうスタイルのせいもあるかもしれませんけど。
A・むしろ言葉がちゃんと伝わったりしますしね。あとは、年の取り方も、シンガーそれぞれのスタイルだよなあって最近思う。たとえば矢沢永吉みたいに、50過ぎてもばきばきに声出て、ガンガン歌える人もいて、もちろん色んな部分ですごくストイックにケアしてるたまものだと思うんですけど、何よりまず、彼のノドを含めた体っていう楽器には、もともとそれに耐えうる強靭さが備わってた。
Q・地肩が強い、みたいなもんですね。
A・そうそう。だからきっと矢沢自身もそこにこだわってると思うし、ファンも衰えないパワーに期待する。でも人によっては、特に不摂生したわけじゃなくても、ガックリいっちゃう人もいるし、私みたいに徐々にいく人もいるし、それはそれで人間として自然なことなんで、どうしようもない。
Q・そこでどう考えるか。
A・みなさん、そんなことないよって言ってくれるんですけど、あたしは決して歌がうまい方じゃないし、すごいハイトーンガ出るわけでもなかったし、逆にそういう部分にこだわりがなかったんで、単純に体力的にキツくなってく、みたいなことを、あっさり受け入れられたんでしょうね。
Q・去るものは追わず。
A・無理しないの。ツラいのいやだから(笑)。
Q・でもだからこそ、声のクオリティにこだわるわけですね。
A・そう。特に歌がうまいわけでもない、すげー声が出るわけでもない、そうなると、声のよさと、そこから生まれる説得力や表現力が命綱というか、存在意義ですから。そこは何とか長くキープしていきたいと思う。
Q・具体的に、ああしようとかこうしようとかあります?
A・無理しないこと(笑)。あと、ナーバスになりすぎちゃうとつまんないので、そういう時もあるさって気楽に構えること。あたしタバコもたくさん吸うし、お酒もたくさん飲むし、そういう人生のアイテムと音楽と共存していかないとつまんないから。
Q・ハハハ。ま、駄目になったら駄目になったで、そん時また考えましょうね。
A・そうしましょうそうしましょう。
Q・さて、10.28はお誕生日2日前ということで、終演後、ファンの人たちがハッピーバースデー歌ってくれましたね。
A・贈り物もたくさん頂いて、ホントに感謝感激です。
Q・34才ですかあ。
A・あの、思ったんですけどね、歌い始めたの17才でしょ。17×2は34で、歌い始めるまでと、歌い始めてからが、同じ年数になったんですよね。
Q・うひゃー。人生の半分歌ってると。
A・やんなっちゃいつつ、感慨深いですねえ。
Q・今月はいよいよ炎の3連投。
A・なるたけたくさんの曲をやりたいと思って、今必死にメニュー組んでます。
Q・来月は2年ぶりの先発完投です。
A・これはもうとにかく総ざらえですから、楽しみにして下さい。
Q・“いい声“で、残り少ない20世紀を乗り切りたいもんですね。
A・同感です。

≪今月のシノハラ酒蔵≫
・日本酒
  花の舞(静岡)純米大吟醸
  南部美人(岩手)大吟醸
  初日の出(京都)大吟醸
  越後美人(新潟)純米吟醸
  龍力 五百萬石(兵庫)特別純米
  ※心白米使用酒
  自然醸 清開(栃木)純米醸造地酒
  上昇気流(愛媛)吟醸
  天井知らず(福岡)純米吟醸
・泡盛
  どなん(沖縄・与那国)
・ワイン
  ルヘ゜ ショーレ フ゛ルコ゛ーニュ ヒ゜ノノワール コムテ ト゛ ルヘ゜(赤)フランス
・地ビール
  浜名湖ビールセット
                        多謝。


last up date 2000.11/24
このページは2週間ごとに更新の予定です
予定は、未定..
back issue
E-list BBS Search Ranking Broadway-Guitar Go to Top