第11球
史上初(?)、紙上ライブだ!
『2000.6.24実録歌う格闘技』


アナウンサー:格闘技ファン・・・じゃなかった、音楽ファンの皆さん、こんばんは。今夜はここ渋谷NESTから、歌う破壊王シノハラミヤコのライブを、実況生中継でお送り致します。放送席をご紹介しましょう。解説のシノハラさんです。

解説者:よろしくお願いします。あ、あのーいくら何でも、もう7月ですし、梅雨も明けちゃいましたし、生中継ってのはウソすぎやしません?

ア:いいんですよ、気分の問題なんですから。えー実況担当は、私シノハラでお送り致します。

解:なんか、まぎらわしいですね。

ア:しょうがないでしょ。基本的には自問自答なんですから。さて、場内は開演直前の心地よい緊張感が、徐々に昂まってきています。いやー今夜も満杯ですねー。

解:最初だけかと思ったら、3回続いちゃいましたねー。どうやらシノハラファンをだいぶ侮っていたようで(笑)、ほんとにありがたいことです。

ア:この時間は、ステージ裏でスタンバイ状態ですか。

解:そうです。前にも書きましたけど、NESTの楽屋はひとつしかないので、6Fの控えスペースで待機して、気が向くと下で他の人のライブを見たりしつつ、ところてん式に前の人が始まったら楽屋に入ります。で、着替えたりなんだりして、ラスト1曲位になると、スタッフが呼びに来てくれます。ちなみに、ご存知の方もいると思いますが、ステージ裏は下のWESTとも階段でつながってまして、今夜はどうも、下はビジュアル系のイベントのようですね。

ア:そう言えば、来た時、下のコンビニの前に、この世のものとは思えないビジュアル系女の子ファンが山盛り溜まってました。

解:恐ろしいことです。

ア:まったくです。あっ客電が落ちました、いよいよ開演する模様です。客席からはすでに拍手が沸き起こっています。「あねごー」と言う声も聞こえます。すごい熱気が、この放送席までビンビン伝わってまいります。シノハラはまだか、シノハラの姿はまだ見えないか、1秒1秒がなんと長く感じられることでしょう。1ヶ月間待ち続けた再会への期待と興奮が、会場全体に満ち溢れています。か、解説のシノハラさん、今舞台袖でシノハラはどんな思いなんでしょうか。

解:客電落ちた途端、いつも会場がうわっとテンション上がるのわかりますから、この瞬間がやっぱり一番興奮しますね。あの、ところで、すこし落ち着いて・・・

ア:あっ見えた、見えました、たった今シノハラミヤコが、ステージという名のリングにその姿を現わしました。大きな拍手の中、ゆっくりとピアノに向かって行きます。薄明かりで定かではありませんが、笑顔です、笑顔を浮かべているようです。今夜のいでたちは、黒のVネックのノースリーヴに、チャコールグレイのストレートパンツ、足元は黒いエナメルのサンダル、なかなかシックな装いです。今ステージ中央のピアノの前に到着しました。椅子に座る前に、客席に向け拍手を返しております。人々の思いと暖かい拍手をまるで吸い込んでいるかのように、小柄な体が、ひと回りもふた回りも大きく見えます。渋谷NESTに今宵舞い降りたのは、ミューズか、それとも堕天使なのか。

解:まあまあ、そう興奮せずに。

ア:シノハラがピアノの前に座ると同時に、BGMがフェードアウトしていきました。場内も一転して静まり返り、固唾をのんで1曲目を待っております。

解:あ、歌詞カードが。

ア:ん?

解:スタッフがピアノの上に歌詞カードを貼り付けといてくれたんですが、鍵盤の上に紙がはみ出しちゃってて、今はみ出した部分を折り込もうとしてますね。

ア:なるほど。ああどうやら大丈夫のようです。解説のシノハラさん、1曲目は何でしょうね。

解:えーっとですねぇ・・・

ア:始まりました。たった今、ついにシノハラの指が鍵盤めがけて打ち下ろされました。このイントロは、淡々とした中に多くの感情を押し隠しているかのようなこのイントロは、そうです『ひとり』です。今夜の1曲目は、『ひとり』です。


解:まあ、すわってすわって。

ア:いやー驚きました。客席からも、はっと息を呑む音が聞こえたような気が致します。何と言いますか、いきなりSTOが決まったような感じですねぇ。


解:そうですね、まあ先月のこともありますし、まずはきっちりリベンジということでしょう。

ア:非常に落ち着いて、ひとことひとこと、ていねいに歌おうとしているかのように見受けられます。場内の隅々まで、声と言葉が染み透っていくのを感じます。ところで解説のシノハラさん、この曲1番から2番に行くところで転調してるんですが、CDでは転調してないんですよね。

解:ハイ。CDでは、1番と2番の間の間奏だけ転調してて、歌の部分のキィは同じなんですね。弾き語りバージョンがオリジナルですけど、CDにする時キィをそろえたようです。なんでかはわすれました(笑)。

ア:この歌を書いてからもう10年近いですが、全く色あせませんね。

解:そうですね。いつ歌っても新しいというか。

ア:客席も、新しさと懐かしさを噛み締めるように、それぞれ聴き入っています。エンディングに入りました。最後のコードが響いております。大きな拍手です。

解:あのーこの曲7分近くあると思うんですけど、もう終っちゃうんですか。

ア:生中継ですから色んなことがあるんです。細かいことは気になさらずに。お、MCをはさまずに、次の曲に行くようです。このイントロは、どうやら新曲のようです。

解:『彼方』という曲です。

ア:ライブレポートに、『前髪』に似たイントロ、という感想がありましたね。

解:『ありふれたグレイ』にもちょっと似てますね。あんまりきちんとイントロや間奏つくらないもんで、たまにはってかんじで。

ア:マイナーものは久々です。

解:実は苦手なんです。なんか演歌みたくなりそうで(笑)。

ア:この曲は、重さと湿り具合が、らしい、ですね。歌詞的には、まだ見ぬもの、みたいなテーマでしょうか。

解:そうですね。なんか21世紀21世紀って騒ぐ割には、最近世間的にも夢がないじゃないですか。良くも悪くも、またかってかんじで。でもまだあって欲しいな、あたしたちの知らないこと、そこで夢見たいなってね。

ア:歌詞を紹介できないのが残念です。

解:著作権で保護されてませんからね(笑)。

ア:さて、2曲目が終わって、MCが始まっております。お得意の競馬ネタで、場内大拍手です。

解:先月はダービー前夜、今月は宝塚記念前夜ですからねぇ。

ア:今ステージでも言ってますが、このライブのスケジュールは、決してシノハラが組んでいるわけではありません(笑)。しかし、グラスワンダーは残念でした。

解:この生放送、現在過去未来が完全に入り乱れちゃってますね(笑)。いやしかし負けたのはいいんですけど、レース後のトラブルにはホントにビビりました。ゴールしたあと、向こう正面まで流して、急に立ち止まっちゃったんですよね。

ア:あの姿は、妙に印象的でした。

解:そうなんです。で、あれれっあっおい折れてるぞってかんじで。もう息が止まりそうでした。

ア:宝塚記念で折れるって言うと。

解:そう、思い出しちゃうでしょ、ライスシャワー。まあ、あれはレース中でしたけど、もうお願い頼むからってかんじで、いやホント参った。

ア:もう種付けのシンジケートも組まれてたそうですから、みんな気絶しまくってたでしょうね。

解:大事に至らず、無事引退種牡馬入り、本当に何よりでした。おつかれさま、グラスワンダー。

ア:さて、MCの方は、競馬からジューンブライドの話に移り、カップルはカップルでも、今まさに別れゆこうとしているカップルの歌、『淋しいのは』が始まりました。

解:性格悪いですねー。

ア:今に始まったことじゃありませんからね。そう言えば、すっかりトレードマークになった金髪ですが、最近赤が混じってますね。

解:いわゆる、ヘアマニキュアってやつで。もとの金髪も、今は枯草っぽい色にしてて、そこに濃い赤を入れたんで、もはや何色とも言えないですね。

ア:次はどうしますか。

解:黒須さん(長年のヘアデザイナー)が考えてるとおもいます(笑)。

ア:再びMCが始まりました。ステージ上ですぐ舞い上がってしまう、というような話をしてますね。

解:久々に続けてライブをやるようになって、一応終わってからビデオ見て、チェックしたり反省したりするわけですね。曲のテンポ感とかも、新曲は特に、自分で歌ってて気持ちよくても、あとで客観的に見聞きすると、速いなとか遅いなとか、あとMCのかんじなんかもね。最近改めて気付いたのが、髪をいじりまわすのと、喋りながらピアノをがちゃがちゃ弾くこと。

ア:すこし落ち着けよ、と。

解:そう、とにかく舞い上がっちゃうので(笑)。先月のビデオなんか見ると、ガー歌って、わあわあ喋って、げらげら笑って、あげく泣いて、もうほとんどキ○ガイ(笑)。

ア:ま、そこがいいとこでもあるんじゃないんですか。

解:いやはや。袖でさんざん、落ち着いて落ち着いてって言い聞かせて出てくわけですよ。で、今日も出て来て、歌詞カード直すまではよかったんですけど、それっと歌い始めたら、マイクの位置が低い(笑)。

ア:妙に前かがみでしたもんね。

解:座った時気付けよって思うんですけどね(笑)。気付かないんだなこれが。舞い上がってるから。途中でマイクは直しましたけど。

ア:ハハハ。ま、回数重ねて行きましょう。あっそろそろしめの挨拶に入っているようですね。

解:次が4曲目ですから、ラストは2曲続けてということになりそうです。

ア:雨の中足を運んでくれたお客さんたちへの感謝の言葉と、ライブをやりながら季節をめぐって行ける喜びが語られております。初めての東京百歌出演は春、梅雨を経て、次のライブの頃には、輝く太陽の季節となっていることでしょう。
4曲目は新曲『mute』、ミディアムアップの軽やかな曲です。テレビのリモコンについている、ミュート(消音)ボタンを思いつつ書いたと、今MCでありましたが。

解:テレビっ子なもんで(笑)、どうもテレビ消せなくって、今もこの原稿書きながら、まさに音を消したテレビを眺めてるんですけどね。出不精で、家でうだうだしてるからいけないんでしょうけど、時々色んな物事がすごく平面に思えちゃうことがあって、音を消したテレビって、すごい楽しそうだけど、すごいひとごとっぽいなって思ったり。

ア:歌詞を紹介できないのが残念です。

解:著作権で保護されてませんからね(笑)。

ア:ところで襟元のチョーカーは、偽エルメスですね。

解:あっしーっしーっ。言わなきゃわかんないじゃないですか。

ア:知ってますよ。代官山で2900円で買ったんでしょ。
解:だって本物なんて買えませんもん。

ア:ハハハ。さて『mute』のエンディングから、そのままたたみかけるように、『flower』の出だしのアカペラが始まりました。今夜のラストは『flower』です。

解:この曲も、何回か歌ってやっと歌えてきましたね。だいぶ自分のものになってきたかんじです。

ア:鉄は熱いうちに打て、歌は人前で歌え、ですかね。

解:うまいっ。

ア:さあ、お送りしてまいりました、シノハラミヤコライブ、そろそろお別れの時間が近づいてまいりました。解説のシノハラさん、いかがでしたか。

解:現在過去未来行ったり来たりで、時間軸が崩壊しました(笑)。それにしても熱いライブでしたねぇ。

ア:ラグビーが走る格闘技なら、ライブは歌う格闘技ですから。

解:うまいっ。

ア:いやいや。私もだいぶ疲れました。一応次回の中継は未定ということで。

解:そうですね。予想以上に疲れました。

ア:今夜は渋谷NESTから、歌う破壊王シノハラミヤコのライブの模様を、緊急生中継でお送り致しました。解説のシノハラさん、どうもありがとうございました。

解:失礼しました。

ア:それでは『flower』を聴きながら、このへんで渋谷NESTからお別れ致します。実況はシノハラでした。みなさん、さようなら。

《おまけ・今月の酒蔵》
:日本酒
   二羽鶴 本醸の原酒 上戸によろしく(石川)本醸造
   賀茂鶴(広島)純米吟醸
   篠原美也子(福島)純米吟醸
   ※好きな名前をラベルに書いてもらえるという企画もの
:泡盛
   び(沖縄)
                         合掌

LAST UP DATE 2000.7.18
E-list BBS Search Ranking Broadway-Guitar Go to Top