『Vivien』
1997年2月5日リリース

1.Good Friend
2.風の背中
3.傷だらけの天使
4.春の日
5.welcome trouble
6.夜明けのランナー
7.Always
8.午前三時の雨
9.極楽駅から見える月
10.あたたかい沈黙
11.前髪

全作詞/篠原美也子


Good Friend

恋人だったらこんな時は
夜明けまで抱きしめてあげるのに
強気の笑顔の裏側を
痛い程知りながら手を振った

ひとりになるまで痛みを見せない
あなたのそんなとこが好きだけど

何にも出来ないせつなさを
わかってよ時々は甘えてよ
誰かの悲しみにどうして誰もが
こんなにもこんなにも力が無い

仕方がないから溜め息つきながら
祈るみたいに夜空を見上げているだけ

今夜あなたの上に星が降るように
わずかな光が道を照らすように
あしたあなたの歩く空が晴れるように
悲しみの数だけ 喜びがあるように

恋人だったらすこしくらいは
わけ合える悲しみがあるのかな
恋人じゃないけど
You're just a very good friend of mine
ここにいるただそれだけ気付いていて

何もかもひとりで抱え込まないで
自分を責めるように時には他人を責めていい
仕方のないことだけ口にする夜があっていい
わかってる お互いさま わかってる

どんな気持ちでもひとりずつのもの
痛みさえもそれぞれの宝ものだから

差しのべられた腕をふりほどきながら
それでも風の中を歩いて行く
あなたの背中に親指を立てる
誰かがいること忘れないでいて

今夜あなたの上に星が降るように
わずかな光が道を照らすように
あしたあなたの歩く空が晴れるように
悲しみの数だけ 喜びがあるように



風の背中

ゆるやかな坂道を一歩ずつ登るような
何気ない毎日が目の前に続いてる
うずくまる人がいる 立ち上がる人がいる
あきらめる夜もある やり直す朝もある

声を嗄らして叫ぶことだけが
夢見る力じゃない

こみ上げる思いを瞳に閉じ込めて
あなたにしか出来ないこと探し続けている
恋する人のように軽く息を切らし
風に手を伸ばす ゆっくりと

わからないままいつも勝ち負けは決まって行く
駆け抜けたはずのゴール 歓声は聞こえない
追い越して行く人たち なんて遠いところにいるのだろう
泣かないで 今はまだきっと道の途中

時代も流行も決して届かない
夢見る力がある

こみ上げる思いは誰にも似ていない
あなただけに見える風の背中を追いかけて
呼吸をするような飾らない強さで
風に手を伸ばす 手を伸ばす

Keep your steps
Keep your breath
Keep your dreams
Keep your heartbeat

ゆるやかな坂道を一歩ずつ登って行く
風の吹く坂道を ゆっくりと ゆっくりと



傷だらけの天使

もう終わりにしよう 誰のせいでもない
最後まで言わないで わかってる
さよならはどうか私から言わせて
恋の終わりを私にください

傷だらけの長い日々 笑い声も痛みも 今は遠くへ

音を立てて閉まるドアの前で
ああ靴音が消えるのを待って泣いていた
やさしくしたくて 死にそうだったのに

荒れ果てたベッドに力尽きたように
横たわる幾つもの夜明け
たったひと言 どちらからでもいい
恋しさを言えたなら 言えたなら

傷だらけの天使たち 笑い声も痛みも 今はいとしい

音を立てて閉めたドアの前で
ああいつだって引き留める声を待っていた
傷つけ合うことで確かめていた
もうそれ以外ふたりをつなぐものは無くて
やさしくされたくて 死にそうだったのに
やさしくしたくて たまらなかったのに
もうこれ以上 誰も傷つかないで
ふたりを空へ解き放って
もう終わりにしよう



春の日

もういちど会えるなら まだ浅い春の日がいい
街中がひそやかに 出会いや別れの支度をする頃

偶然をよそおって ありふれた街角で
まるで見知らぬ他人のように もういちどはじめから恋を

もういちど会いたくて まだきっと間に合う気がして
会いたくて 思い出は 遠ざかるほどにあざやかな影

突然のさよならに 泣くことも出来ないままに
道に迷った子供のように それでもあなたが好きだった

もういちど会いたくて 言葉にはならなくても
人混みの中消える背中に 何ひとつ変わらない恋を
あなたへの終わらない恋を



welcome trouble

誰ひとり悪いわけじゃなくても
誰かがかぶらなきゃ収まらない
運が悪いと慰めて
悔しまぎれにつぶやく

welcome trouble welcome trouble
声にならない 街中の溜め息に耳を澄まして
welcome trouble welcome trouble
胸の痛みを 笑いながらその手で味方につけて

誰ひとり正しいわけじゃなくて
悲しいニュースは跡を絶たず
責める言葉も 言い訳も
日々に埋もれて行くけど

welcome trouble welcome trouble
声にならない 街中の溜め息がひざを抱えて
welcome trouble welcome trouble
胸の痛みは ひとつずつひとつずつ あなただけのもの

答えを急ぐ歌があふれる街で
答えの出ない問いかけを抱いて歩き続けて行く

悲しみを幾つも通り過ぎて
少しは利口になったはずが
言えずじまいのひと言に
今日も足をとられながら

welcome trouble welcome trouble
声にならない 街中の溜め息に耳を澄まして
welcome trouble welcome trouble
胸の痛みを ひとつずつひとつずつ 力に変えて
welcome trouble welcome trouble
負けることさえ 笑いながらその手で味方につけて
welcome trouble welcome trouble
胸の痛みを 笑いながらその手で味方につけて

welcome trouble!!



夜明けのランナー

白い息を吐いて夜明けの街を走る
名も無いランナー ぼんやり見てた
眠れぬままじっと窓に額をつけて
見知らぬランナー 見つめていた

日々を走り抜けて 振り返る暇もなく
何を目指して どこへ向かって
すこし疲れすぎて すこし忙しすぎて
夢がなんだかぼやけてるだけ

淋しい気持ちは味方につけて連れて行こう

ただ足を踏み出すだけ ただそれだけ それだけのこと
ゴールの向こうにはスタートが待っている

日々をくぐり抜けて くり返す毎日を
ひとりひとりの時計で走る
追いつけない夢と追い越して行く背中
見送りながら 追いかけながら

やさしい気持ちを今日こそきっと伝えよう

ただ足を踏み出すだけ 倒れたら起きるだけ
ゴールの向こうにも道はまだ続いてる
ただ足を踏み出すだけ 何度でも ひとりでも
ゴールの向こうにも道はまだ続いてる

どこから来たの? 誰かが聞く
笑って答える 昨日から
どこまで行くの? 遠ざかる声
手を振って答えよう 明日まで

ゴールの向こうにも道はまだ続いてる



Always

忘れられない恋しさを
今でもあなたは抱きしめている
忘れたふりで強がって
無理して笑うけどわかってる

かける言葉は見つからず
してあげられることが何も無い
友だちなのに情けないね
だけどここにいるよ 味方だから

思い出して どんな時でもあなたのすぐそばにいる
人を思う人の姿を見つめるだけしか出来ないけど

今は言葉さえ届かなくても
I'm always on your side 忘れないで

いつも聴いてた歌でさえ
やさしさのふりで過ぎて行くだけ
誰のせいでもないことが
あなたをこんなにひとりにする

何も言わずにいることが
たったひとつ出来ることなんて
後ろ姿が見えなくなるまで
ここにいるよ 味方だから

追いかけたい この手伸ばして
あなたを背中から抱きしめたい
それが決してあなたの痛みを癒せないと知っていても

今は余計に傷つけてしまう
I'm always on your side I'm always on your side
 
思い出して どんな時でもあなたのこと見つめている
人を思う人の姿は悲しみの中でなんてきれい

今は言葉さえ届かなくても
I'm always on your side
I'm always on your side 忘れないで



午前三時の雨

雨の音で目が覚めた 午前三時
窓の向こうぼんやりと街のあかりがにじんで
背中向けて眠るあなたを見つめていたら急に
見知らぬ人のような気がして涙がこぼれてきた

なんでこんなにひとりなんだろう
こんなに近く なんて遠い背中

ひとりで生きる淋しさから抜け出したはずなのに
ふたりで生きる淋しさに今体中が悲鳴を上げてる

不意に声が聞きたくて肩に手を置いたけど
何て言おう この気持ち とても言葉に出来ない

午前三時に降る雨のよう
誰も知らない 心の軋む音

ひとりで生きる淋しさから逃げ出したわけじゃない
ふたりで生きる淋しさを確かに選んで歩き始めた

ひとりで生きる淋しさから逃げ出したわけじゃない
あなたと生きるこれからを確かにこの手で選んで

背中向けて眠るあなたにそっと体を寄せる
雨の音を聞きながら 呼吸を合わせて



極楽駅から見える月

いらいらして何もかもがモノクロの夜は
誰にも会わず部屋でひとりTVでも見ようか
ビール片手に寝転がってチャンネルを変えれば
色とりどりの時代の花 咲き誇っている

光あふれる画面越しに今日は誰の不幸ですか
This is a paradise station
悪者を作ってね 胸のすっとするような

きらきらしたはやりの歌 きれいでいいね
覚えやすくて 忘れやすい かりそめのLove Song
誰かがほら指をさすけど関係ないよね
明日になれば今度は指をさされているかも

したり顔で頷いても ペシミストを気取っても
This is a paradise station
気が付けば否応無く巻き込まれて踊ってる

永遠に終わらない満ち欠けを繰り返して
浮かれ出すこの街に今日もまた月が昇る

あきあきしてうんざりでも走り続けて行くだけ
数字のゼロ描くようにレールは果てしなく
欲望という夢を追いかけ息を切らしても
何でもあって 何にも無い ここはParadise station

浮世の夢ははかなくて また人は去り人は来る
This is a paradise station
代わりなら幾らでも用意されてるみたい

永遠に終わらない満ち欠けを繰り返して
うたかたのこの夜に今日もまた月が昇る

光あふれる闇の中で 行き先がわからなくて
This is a paradise station
淋しさを口に出せば誰も彼も逃げてく

はやらないよ今時そんな 誰もが笑っても
胸を張って愛を言える人になりたい

永遠に終わらない満ち欠けを繰り返して
うたかたのこの夜に今日もまた月が昇る
光あふれる闇の中を手探りで歩き出せば
頼りない足元をぼんやりと月が照らす
永遠に終わらない満ち欠けを繰り返して
うたかたのこの夜に今日もまた月が昇る
永遠に終わらない満ち欠けを繰り返して
うたかたのこの夜に今日もまた月が昇る



あたたかい沈黙

ごめんね いつも淋しい気持ちにさせてばかりで
ごめんね 弱い所を見せる勇気がいつも足りなくて

あなたの気持ちは誰より誰よりわかっているよ

何も言わずにいてくれたこと
手を差し伸べてくれなかったこと
言葉でもなく笑顔でもない
やさしい気持ち 忘れないよ

ごめんね 悲しい気持ちに逃げ込んでばかりで
ごめんね 何も出来ずにいる方が余計にせつないけど

お願い手を貸さないで ひとりで立ち上がるまでは

何も言わずに見つめていて
つまらない意地を張る背中
はじめて歩き出す子供のように
すこしふらつく足元でも

何も言わずにいてくれたこと
だけどそばにいてくれたこと
言葉でもなく笑顔でもない
やさしい気持ち ありがとう

ひとりで立ち上がれたときには
ほほえみながら抱きしめてね 抱きしめてね



前髪

突然のさよならは あたたかい風に散る
薄紅の花びらのはかなさにも似て音もたてず
ゆっくりと浮かぶのは幾つもの過ぎた日々
切り過ぎた髪を押さえ 風の中を走った遠い日々

思い出にしがみつくだけじゃ駄目ね

もう切らなきゃ 笑いながらかきあげてた
長過ぎる前髪でよかった
涙でふくらんだまぶたを見られずにすんでよかった

わけなんて言わないで 春だから それでいい
あなたから背を向けて 傷つかずに始まるものは無い

思い出をいつか力に変えよう

もう切れよと 笑ってかきあげてくれた
前髪の向こうの後ろ姿
思っていたよりも大きな背中に気付けてよかった

春が来たら短く切ろうと決めてた
長過ぎる前髪でよかった
涙で曇ってる瞳を見られずにすんでよかった

あなたの手が時折かきあげてくれた
前髪を切らなくてよかった
涙をこらえてる瞳を見られずにすんでよかった

涙があふれてる私を見られずにすんでよかった

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