『種と果実』
2004年3月10日リリース
1.秒針のビート
2.目を閉じたくはない
3.split
4.30's blue
5.maybe
6.サヨナラ
7.422
8.Time will tell
9.葉桜
10.月と坂道
全作詞/篠原美也子
秒針のビート
狂おしいほどに思い思われる恋が出来るのは
あとどれくらいだろう? 急にそんなことを考えた
心と体が重なる季節 それはほんのひとときなのかもしれない
時計の秒針今日もタフなビート刻み続けてる
あたしの気持ちなんてお構いなし 刻み続けてる
壁に投げつけて壊したい衝動 出来るもんならやってみろと囁く声
たとえ歯を食いしばってでも愚痴をこぼすべきではなくて
自分に生きる価値が無いなんて思うのは間違いで
それでもこうして生きてるうちに自分自身をつかい果たせるのだろうか
気が付けば残されたチャンスは驚くほどすくなくて
そのくせ有り余る時間を持て余しては無駄にして
何もしないために何かをして 何も言わないために喋り続けている
何も言わないために喋り続けている
選ぼうとしなければもっとずっと人生はたやすい
望んだりしなければきっとずっと人生はやさしい
思っているよりもずっとずっと人生は短い
遅すぎるかもしれない
負けるつもりで走り始めるアスリートはいないだろう
そして勝てるあてのないゲームが今日も待っているだろう
光の陰に闇が見えたら それを勇気と呼んでいいのかもしれない
それを勇気と呼んでいいのかもしれない
誇り高くありたいと願えば日々はあまりにせつない
勝ち負けで決まるならきっとずっと人生はたやすい
動機を見失ったまま過ごす日々はなんてはかない
遅すぎるかもしれない
狂おしいほどに思い思われる恋が出来るのは
あとどれくらいだろう? 急にそんなことを考えた
選ぼうとしなければもっとずっと人生はたやすい
望んだりしなければきっとずっと人生はやさしい
思っているよりもずっとずっと人生は短い
遅すぎるかもしれない だけど顔を上げて
誇り高くありたいと願えば日々はあまりにせつない
勝ち負けで決まるならきっとずっと人生はたやすい
動機を見失ったまま過ごす日々はなんてはかない
遅すぎるかもしれない
だけどこんなところで待っているよりは
目を閉じたくはない
地下鉄の窓に映る顔 自分を見てる自分がいる
そこから何が見えますか? そこにいるのは誰ですか?
問いかけは答えに片思い 溜め息は終電と相思相愛
未来は絶望と表裏一体
目を閉じたくはない せめて見届けたい
曇り始めたこの目で
滅びて行くなら滅びるすべてを
そして無様にあらがい続ける自分自身を
頭の上から声がする なんか言ってるバカがいる
そこから何が見えますか? ところであんたは誰ですか?
文明と自然は反比例 政治家は権力と援助交際
瀕死の希望に一蓮托生
目を閉じたくはない ここで見届けたい
暗闇を振りほどいて
こわれて行くならこわれるすべてを
こうして不器用に足を踏み出す自分自身を
地下鉄の窓に映る顔 自分を見てる自分がいる
そこから何が見えますか? そこには何がありますか?
目を閉じたくはない せめて見届けたい
曇り始めたこの目で
滅びて行くなら滅びるすべてを
暗闇を振りほどいて
目を閉じたくはない ここで見届けたい
曇り始めたこの目で
こわれて行くならこわれるすべてを
そして出来るなら闘い続ける自分自身を
自分自身を
目を閉じたくはない ここで見届けたい
暗闇を振りほどいて
split
小走りで駅を目指す
こわいから時計は見ない
言い訳を探しながら
残してきた仕事を思う
やりかけの歯がゆさと
置き去りの後ろめたさを
全速力 行き来してる
あたしはなんだろう
変わりかけてる信号 走って渡る
クラクションが舌打ちをする
振り向かず また走り出す
何が欲しくて 何を見たくて
何のために息を切らして
戻ることも 進むことも
出来ないままに ただ急いでいる
女はと言われるから
仕事場で時計は見ない
男はとランチタイムに
こぼしても仕方ない
中途半端を責める自分の声が
クラクションにかき消されて行く
振り向けば悔やんでしまう
何を手にして 何を失くして
誰のために夢をつないで
戻る道も 進む道も
同じくらいに風は強くて
何が欲しくて 何を見たくて
何のために息を切らして
逃げることも 選ぶことも
出来ないままに ただ急いでいる
飛び乗った電車の窓
映るのはどっちの顔
選ばないあたしを許して
逃げるのを許さないで
30's
blue
見えないものがないから夢を見ることも出来ずに
少年たちは今夜も眠れない拳を持て余す
男は馬鹿ばっかりで服を脱げば一緒だから
少女たちは冷ややかに自分の値段を釣り上げる
あたしは中途半端に大人と呼ばれる年になり
30's blue 忍び寄る退屈
こんなに不安なのは明日が見えないからじゃなく
未来の自分が簡単に描けてしまうから
この街で 誰もが希望を見失いそして混乱している
この街で あたしも希望を見失いそして混乱している
走り過ぎた世代はぼんやりと空を仰いで
座り込んだ世代は足元の水たまりを見てる
あたしはどっちつかずで古ぼけた夢を抱きしめる
30's blue 押し寄せる現実
この次はきっとうまくいくからって慰めて
だけどふと思ってしまう この次はいつ来るの?
この街で 誰もが精算を迫られそして途方に暮れてる
この街で あたしも精算を迫られそして途方に暮れてる
うらやましくないと言えば嘘で
追いつきたいと言っても嘘で
あたしはどうしようもなく 重ねた日々の果て
満足していると言えば嘘で
淋しくないと言っても嘘で
すべてはどうしようもなく
30's blue
この街で 何ひとつやり直せるわけじゃないとみんな知ってる
変われない 変わらない この街で
それでもなけなしの笑顔を浮かべ前進して行く
この街で ありったけのネガティヴを抱いたまま転がり続ける
終わらない 終われない この街で
あたしはあたしの続きを探して前進して行く
maybe
たぶんどこかで誰かが泣いてる
誰かが傷ついてる
そしてあたしたちはここにいる
たぶんそれはきっと正しくて
たぶん間違ってる
だけどあたしたちはここにいる
振り向けばいつも人生は
傷つけた記憶の長いリスト
せつなくて くるしくて 誰ひとり悪くなくて
精いっぱいでうまく行かなくて
いつだって同じことくり返して泣き笑いだけど
ふたりでいよう 迷うことなく
たぶんあなたは答えを欲しがり
あたしを問い詰める
そしてあたしは黙り込む
たぶんあなたといるためなら
あたしはどんな嘘でもつく
たとえすべてを失くしても
目の前に続く人生が
傷ついた記憶をくり返すだけでも
試さないで しばらないで 比べないで 信じ合って
言葉で言えばたやすくて
愚かさと恋しさに揺れながら臆病になるけど
ふたりがいる それがすべて
せつなくて くるしくて 誰ひとり悪くなくて
精いっぱいでうまく行かなくて
いつだって同じことくり返して泣き笑いの日々
ふたりになろう 急ぐことなく
ふたりでいよう 迷うことなく
サヨナラ
もうへとへとで口をきくのも面倒で
一番大事なひとにもやさしく出来ない
夜が明けるまでのわずかな時間
何も考えず ただ眠りたい
あとすこし もうひと息
いつもそこで力が終わってしまう
9回ウラ 最後の一球 振りかぶって
ボールは光の中に消えた
歓声に背を向けて マウンドを降りて行った
古ぼけたエース あれはあたしだ
もうさんざんな一日のかけらを前に
何を言ってもきっと全部愚痴になるから
散らかった部屋も心もそのままに
夢も見ないで ただ眠りたい
あとすこし もうひと息
頑張りなさいと人は言うけれど
限界という最後の一球 振りかぶって
ボールは闇にはじけて消えた
当たり前みたいに また敗れ去るだけ
残されたチャンスは どれくらい
いつでもそっと手がかりをくれた夜は
いつしかただ眠るためだけのものになった
朝を待たなくなってどれくらい経つのだろう
もういちど 背を伸ばして
ここですべて終わってしまう前に
9回ウラ 最後の一球 振りかぶって
ボールは夜の途中消えても
すこし重たい肩で マウンドを目指してく
古ぼけたエース それがあたしだ
すこし眠たい朝に マウンドを夢見てる
終わらないゲーム 古ぼけたエース
それがあたしだ
422
好きなものを好きだと言ったり
嫌なことは嫌だと言ったり
当たり前のことがだんだんと難しくなって行く
心にもないことを言ったり
見え透いた嘘で誤魔化したり
当たり前のようにだんだんと何も感じなくなる
それはやさしさのせいだったり
傷つけたくないからだったり
誰かを思いすぎていたり
自分を守ってしまうけど
好きなものを好きだと言ったり
嫌なことは嫌だと言ったり
当たり前のことがだんだんと難しくなって行く
人を好きになればなるほどに
大事に思えば思うほどに
一緒にいたいからだったり
嫌われたくないからだったり
自分だけ間違いみたいで
心は立ちすくむけど
好きなものを好きだと言ったり
嫌なことは嫌だと言ったり
当たり前のことをもう一度確かめて
好きなものを好きだと言ったり
嫌なことは嫌だと言ったり
それで駄目になることがあったり
ほんとの友だちがわかったり

Time will tell
なぜ出会ったのだろう 考えていたら
なぜ生まれたのだろう 考えていた
なぜあなたなのだろう 考えていたら
なぜあたしなのだろう 考えていた
そんな風に日々は連鎖して
悲しみの種はやがて喜びの果実
偶然なんかじゃない
なぜここにいるのか 時々わからなくなる
だけどここがきっと目指してた場所なんだ
今はまだ見えなくて 無意味に思えても
いつか 思い出して 気付くんだ
あの頃はなんて 言うようにだけは
絶対にならない そう信じていた
振り返るべき日々を持たなかった日々を
あの頃と呼ぶんだ 今はわかる
そんな風にひとは変化する
はじまりの朝もいつか終わりの夜へ
永遠なんかじゃない
今どこにいるのか 時々わからなくなる
だけど振り向けばひとすじの道なんだ
その時は見えなくて ただひどく淋しくて
だけど 時が経って 気付くんだ
ほんとうは始まっていた
すべて終わったあの日に
ほんとうは愛されていた
背中向けたあの日に
なぜここにいるのか 時々わからなくなる
だけどここがきっと目指してた場所なんだ
今はまだ見えなくて 無意味に思えても
いつか 思い出して 気付く時が来るんだ
今どこにいるのか 時々わからなくなる
だけど振り向けばひとすじの道なんだ
今はただせつなくて ひとりに思えても
いつか 時が経って 気付くんだ
葉桜
言いたいことなどほんとうは無くて
でもそういうのってあった方が素敵に思えて
誰の様でもなくなんて叫んだ
どこにでもいる自分だって知ってたから
こぼれた言葉に憧れて 追いつきたくて走り出した
道無き道のどこかにある
答えを探しに行くんだと決めたのは春だった
やりたいことはいつの間にか
望まれる自分になることにすり替わって
あなたが笑ってくれるならそれでいいと
手のひらの汗を必死に隠していた
自分の言葉を追いかけて 追いつけなくて苛立ってた
つじつま合わせに疲れ果て
好きなものがわからなくなって泣いたのも春だった
あの夏に あの秋に 立ちつくしてた冬の日に
選ばなかった扉の向こうにも 確かに 確かに 人生はあった
生きることのなかったその日々に答えがあるような気がして
振り返るけど
葉陰に残った花びらひとつ
もう誰も桜と呼ぶ人はなくて
いずれすべては散りゆくさだめなら
振り返らないで そこにはもう誰もいないから
過ぎ去りし花を思うのはいつだって春なんだ
月と坂道
ひどく急な坂道 息を切らして
あなたの背中追いかけている
にぶく光る月は もつれる足を
笑うように 励ますように
いつか気付いてくれるだろうか
いつか振り向いてくれるだろうか
そして私はずっとずっと
見失わずに行けるだろうか
ひどく急な坂道
不意に風がよぎって 雲の気配が
坂の途中で月を隠した
夜はとぎれとぎれに目を覚ましては
隔ててしまう ふたりの距離
いつかこの手は届くだろうか
いつかこの声で言えるだろうか
そして私はずっとずっと
同じ思いで行けるだろうか
振り向けばはるか遠く
街には星が降って
そして私は暗闇を目指す
あなたの方へ
いつか気付いてくれるだろうか
いつか振り向いてくれるだろうか
いつかこの手は届くだろうか
いつかこの声で言えるだろうか
いつか同じ月を見上げて
いつか笑い合う日が来るのだろうか
そして私は 私はその日まで
見失わずに行けるだろうか
あなたの背中を見失わずに
ひどく急な坂道
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