『新しい羽根がついた日』
2001年2月24日リリース

1.HERO
2.WIND IS GONE
3.place
4.water
5.flower
6.S
7.秒針のビート

全作詞/篠原美也子


HERO

決め球のカーブはボールひとつ外れて
打球は快音を残し左中間に消えた
マウンドのエースは瞬間世界を手中に収める
それが敗北という名の世界でも

もう腕が振れなくなって
ボールの行方がかすんで

力など無く 名前など無く
はかない日々のマウンドに登る
夢から覚める時を思って
夢見る人はどこにもいない

必殺の左フックは空を切って
ガードが下がった顎をチャンピオンは射ち抜いた
スローヴィデオみたいに彼は膝から崩れた
白いキャンバスという名のベッドに

もう何も見えなくなって
何もかもどうでもよくて

涙ではなく 痛みでもなく
はかない日々にカウントは続く
夢から覚めたその先にまだ
何があるのかわからぬままに

そしてすべてが終わり果て 誰も彼もが後ずさるように立ち去って
希望と絶望が右往左往してる ひと気のないスタジアムで
幻を抱きしめている

力など無く 名前など無く
はかない日々をはかないままに
始まりじゃなく 終わりでもない
そこには道がただ続くだけ

夢から覚める時を思って
夢見る人はどこにもいない
力ではなく 名前でもなく
わずかに残る誇りを守る



WIND IS GONE

明けて行く朝を見ていた
ひとりきりで
果てしない空に向かって
揺れる心を 押さえ切れずに

なぜ世界は終わらない?
なぜ明日は止まらない?
まるで何もなかったように

Wind is gone・・・

目覚めてく街はもうすぐ
いつも通りのざわめきの中
悲しみさえも呑み込んで行く
そしていつの日か 誰かと笑いながら
思い出すのだろうか それとも
忘れてしまうのだろうか

なぜ世界は終わらない?
なぜ明日は止まらない?
なぜ涙は流れない?
なぜ声をあげて泣けない?
何ひとつ変わることない
景色にたったひとりでいたい
さあそこで生きていくのさ
そこにしか答えはないんだ



place

降り始めた冷たい雨
窓のガラスは白く曇って
急ぎ足の人の中で
あなたは肩をぬらしているだろうか

同じことがうれしくて
そして悲しみはいつだって
どうしようもなくひとりずつだけど

もしもつかれ果て倒れるときには
その淋しさごと抱きしめてあげる
そして耳元でささやいてあげる
おかえり ここがあなたの場所
いつでもここがあなたの場所

もういいよと引きとめても
きっとあなたはドアを出て行く
夢がもはや力尽きて
むなしいだけの風だと知っていても

どうか忘れないでいて
たとえひとりきりになっても
ここにいる ここにいる いつも

世界のすべてにそむかれたならば
痛みより強く抱きしめてあげる
何ひとつさえも癒せないけれど
ただその背中を抱きしめてあげる
世界のどこにも居場所が無くても
凍える指先あたためてあげる
そして何度でもささやいてあげる
おかえり ここがあなたの場所
いつでもここがあなたの場所
私がいつもあなたの場所



water

何もかも見せないで
もうすこし夢が見たい
あしたの自分に
もしかして そう言ってあげたい

相変わらず私はひとりで
あての無い歌に身をまかせて
惜しげもなくつかい尽くされて
忘れ去られてく水のようにただ
深く 深く

何もかも言わないで
ありえない夢を見せて
今いる場所が
どこへも続いていなくても

こりもせずに私はひとりで
なつかしい歌を口ずさんで
どこへだって流れ着いて行く
かたちを決めない水のようにただ
何もかもが青く突き抜ける
水の底で涙はもう流れるまま
揺れて光って消えて行く

何もかも見せないで
もういちど夢が見たい
あしたの自分は
もしかして もしかして

相変わらず私はひとりで
あての無い歌に身をまかせて
そして今日も私はひとりで
なつかしい歌を口ずさんで
あふれすぎて役にも立たずに
流れ去るだけの水のようにただ
今は自由
自由



flower

ああどんなに時が流れても
くりかえす季節に咲く花のように

世間なんてそういつも嘆くばかりの天使
何かが起きた時だけ語られる正義
いつからだろう 街は失敗の見本市
真面目にやったって馬鹿を見るだけ 報われない

Oh darlin' 目をそらさないで
Don't cry 私たちの時代

ああどこかで叫ぶ声がする
希望などどこにも見えない時代と
さえぎるものなど何も無い荒野で
風の中 あの空を見上げていた

世間なんてそういつも欲しがるだけの天使
メリーゴーランド いくら追いかけても追いつけない

Oh darlin' 惑わされないで
Don't worry 自分だけの気持ち

ああどこかで叫ぶ声がする
走っても走っても無駄なことだと
届くあてもなく見る夢の続きを
風の中 あの空に探していた

もしも明日世界が終わると知っていても
花を植えよう 約束をしよう
愛を告げよう

ああどんなにはかないものでも
希望ならひとりひとりの胸の中
とどまることなく訪れる未来は
風の中 その手を離さないで

どんなに時が流れても
くりかえす季節に咲く花のように
さえぎるものなど何も無い荒野で
寄り添って生きて行く
We are the flowers
flowers



S

低くかすれるその声が相変わらずでうれしいよ
どんな時代の風さえもあなたを倒せはしなかった

変わり続けるこの街で変わらずにいたいと願えば
古ぼけてしまう気がしていつだって息を切らしていた

走り続けた長い道は
振り返ればなぜかゆるいカーブ
It's a spiral stairway それはきっと
ゼロを描きながら続く階段

流されて行くむなしさと流れて行けない歯がゆさに
心は引き裂かれたまま半端な自分に苛ついた

走り疲れて気付けばいつも
見覚えある景色にたどり着くけど
It's a spiral stairway 空に向かい
ほんのわずかでいい 高いところへ

変わろうとする激しさも 変わらずにいる静けさも
きっと同じ痛みの中に
なつかしい歌声が教えてくれた

It's a spiral stairway 空に向かい
ゼロを描きながら続く階段
Nothing means everything 踏み出して行く
ゼロを描きながらはるか果てなく
It's a spiral stairway 昨日よりも
ほんのわずかでいい 高くあれ
Nothing means everything 踏み出して行く
ゼロを描きながらはるか果てなく

It's a spiral stairway



秒針のビート(studio version)

狂おしいほどに思い思われる恋が出来るのは
あとどれくらいだろう? 急にそんなことを考えた
心と体が重なる季節 それはほんのひとときなのかもしれない

時計の秒針今日もタフなビート刻み続けてる
あたしの気持ちなんてお構いなし 刻み続けてる
壁に投げつけて壊したい衝動 出来るもんならやってみろとささやく声

たとえ歯をくいしばってでも愚痴をこぼすべきではなくて
自分に生きる価値が無いなんて思うのは間違いで
それでもこうして生きてるうちに 自分自身をつかい果たせるのだろうか

気が付けば残されたチャンスは驚くほど少なくて
そのくせ有り余る時間を持て余しては無駄にして
何もしないために何かをして 何も言わないために喋り続けている
何も言わないために喋り続けている

選ぼうとしなければもっとずっと人生はたやすい
望んだりしなければきっとずっと人生はやさしい
思っているよりもずっとずっと人生は短い
遅すぎるかもしれない だけど顔を上げて

誇り高くありたいと願えば日々はあまりにせつない
勝ち負けで決まるならきっとずっと人生はたやすい
動機を見失ったまま過ごす日々は何てはかない
遅すぎるかもしれない
だけどこんなところで待っているよりは

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