『half moon』
2005年4月27日リリース

1.place
2.春の日
3.話して
4.あの角を曲がって
5.ドアまでの距離
6.淋しいのは
7.花束
8.前髪
9.あたたかい沈黙
10.Everything
11.流星の日(remix ver)

全作詞/篠原美也子


place

降り始めた冷たい雨
窓のガラスは白く曇って
急ぎ足の人の中で
あなたは肩をぬらしているだろうか

同じことがうれしくて
そして悲しみはいつだって
どうしようもなくひとりずつだけど

もしもつかれ果て倒れるときには
その淋しさごと抱きしめてあげる
そして耳元でささやいてあげる
おかえり ここがあなたの場所
いつでもここがあなたの場所

もういいよと引きとめても
きっとあなたはドアを出て行く
夢がもはや力尽きて
むなしいだけの風だと知っていても

どうか忘れないでいて
たとえひとりきりになっても
ここにいる ここにいる いつも

世界のすべてにそむかれたならば
痛みより強く抱きしめてあげる
何ひとつさえも癒せないけれど
ただその背中を抱きしめてあげる
世界のどこにも居場所が無くても
凍える指先あたためてあげる
そして何度でもささやいてあげる
おかえり ここがあなたの場所
いつでもここがあなたの場所
私がいつもあなたの場所



春の日

もういちど会えるなら まだ浅い春の日がいい
街中がひそやかに 出会いや別れの支度をする頃

偶然をよそおって ありふれた街角で
まるで見知らぬ他人のように もういちどはじめから恋を

もういちど会いたくて まだきっと間に合う気がして
会いたくて 思い出は 遠ざかるほどにあざやかな影

突然のさよならに 泣くことも出来ないままに
道に迷った子供のように それでもあなたが好きだった

もういちど会いたくて 言葉にはならなくても
人混みの中消える背中に 何ひとつ変わらない恋を
あなたへの終わらない恋を



話して

あなたの声 あなたの横顔
いつもと同じと誰もが言うけど
私だけに見えるその陰は
日ごとにその色を深くする

あなたの夢 あなたの憧れ
時間も忘れて話してくれたね
遠すぎる未来に戸惑い
自信を無くした日もあったけれど

胸に吹く風隠し切れない そんなあなたがとても好き

肩をすこし寄せるだけで心の場所がわかるから
隠さないであなたの痛みのわけを 私を見て

恋に落ちて 朝を分け合って
時には疲れた言葉に泣いても
信じている 選び合った奇跡
あなたは私を 私はあなたを

世界中が背中向けてもあなたの為に笑いたい

瞳閉じていてもわかる 溜め息つく顔が見える
隠さないであなたの痛みのわけを 私を見て まっすぐ見て

肩をすこし寄せるだけで心の場所がわかるのよ
隠さないであなたの痛みのわけを 私を見て
ここにいる



あの角を曲がって

叶わぬ思いと知っていて今夜どうしても
あなたに思いを伝えたくて 呼び出した

あの角を曲がって もうすぐあなたはやってくる

何て言おう どんな風に どんな声でこの気持ちを
伝えたら届くだろう あなたまで届くだろう

今までのことも これからのことも今は
何もわからない ただ伝えなきゃどうしても

かるく息を切らし もうすぐあなたはやってくる

どんな時も気が付くと あなたのこと思っていた
風の中で 人の中で あなたのこと思っていた
何て言おう どんな風に どんな声でこの気持ちを
伝えたら届くだろう あなたまであなたまで

あの角を曲がって 手を振るあなたが見えた



ドアまでの距離

タクシーを降りて手を振った テールランプが消えるまで
凍る息を長く吐いて 部屋へ続く階段昇る

もう会わない
いつも思う こうして階段昇るたび
もう会わない
声に出して重い足を励ますけれど
もう会えない
思うだけでもう一歩も歩けなくて
あと何段?
ドアが遠い 見上げれば階段は続く

電話してたの知ってる とぎれとぎれの言葉の相手
誤魔化してよ 誤魔化してよ そんなにうれしそうに笑わないでよ

もう会わない
いつも決める 座り込んだ階段の途中
もう会わない
愚かな夢見たがる心止めなきゃ

もう会わない
これ以上思い出を増やしたくない
もう会えない
そう思えばあれもこれも伝えずじまい

時計見てたの知ってる 顔を見れるまであと何分
嘘をついてよ 嘘をついてよ ひと晩中でもつきあうと言ってよ

もう会わない
今度こそは 座り込んだ階段の途中
もう会わない
声に出して愚かな夢を止めなきゃ

タクシーを降りて手を振った 今頃別の腕の中
もう会わない ドアは遠い 部屋へ続く階段昇る



淋しいのは

あたしたちもう終わりかな?
黙ってないで 何か言って
渋滞の環七通り
工事ランプ 黄色く光る

最近あぶないなって
思ってたよ だけどきっと
まだきっと何とかなる
思ってたんだ 聞いてる?

声が言う 手遅れかな?
心が言う きっと間に合う

ケンカして顔も見たくなかったり
疲れててやさしく出来なかったり
別々にいることも多かった
さよならになって初めてわかった
淋しいのはひとりでいることじゃなくて
ひとりになることなんだね

あたしたちもう終わりだね
おかしいね なんかもっと
劇的かと思ってた
あっけないね ねぇ?

声が言う 何か言って
心が言う 何も言わないで

週末を互いの部屋で過ごしたり
晴れた日は自転車に乗ったり
何気ない時間が好きだった
さよならの意味がやっとわかった
淋しいのはこれから何があってももう
ひとり

ケンカして顔も見たくなかったり
疲れててやさしく出来なかったり
別々にいることも多かった
さよならになって初めてわかった
淋しいのはひとりでいることじゃなくて
ひとりになることなんだね



花束

優しい気持ちを集めて 恋しいあなたに届けたい
恋しいあなたの涙を一瞬だけでも止めたい

季節が変わってゆくように 時間が流れてゆくように
いつでもいちばん近くで あなたのすべてが好きだよ

夜空を眺めるあなたは 失くした何かを思ってる
本当の気持ちはいつでも 言葉にならないものばかり

季節は変わってゆくだけで 時間は流れてゆくだけで
気づけばぽつんとひとりきり 自分で自分を抱きしめる

泣かないで お願い 泣かないで 泣かないで

優しい気持ちを集めた 花束あなたに届けたい
笑顔じゃなくてもいいから 言葉じゃなくてもわかるから

季節は変わってゆくけれど 時間は流れてゆくけれど
変わらぬ思いがあること あなたに出会って知ったよ

泣かないで お願い 泣かないで 泣かないで

誰もが変わってゆくけれど すべては流れてゆくけれど

優しい気持ちを集めて 恋しいあなたに届けたい
いつでもいちばん近くで あなたのすべてが好きだよ



前髪

突然のさよならは あたたかい風に散る
薄紅の花びらのはかなさにも似て音もたてず
ゆっくりと浮かぶのは幾つもの過ぎた日々
切り過ぎた髪を押さえ 風の中を走った遠い日々

思い出にしがみつくだけじゃ駄目ね

もう切らなきゃ 笑いながらかきあげてた
長過ぎる前髪でよかった
涙でふくらんだまぶたを見られずにすんでよかった

わけなんて言わないで 春だから それでいい
あなたから背を向けて 傷つかずに始まるものは無い

思い出をいつか力に変えよう

もう切れよと 笑ってかきあげてくれた
前髪の向こうの後ろ姿
思っていたよりも大きな背中に気付けてよかった

春が来たら短く切ろうと決めてた
長過ぎる前髪でよかった
涙で曇ってる瞳を見られずにすんでよかった

あなたの手が時折かきあげてくれた
前髪を切らなくてよかった
涙をこらえてる瞳を見られずにすんでよかった

涙があふれてる私を見られずにすんでよかった



あたたかい沈黙

ごめんね いつも淋しい気持ちにさせてばかりで
ごめんね 弱い所を見せる勇気がいつも足りなくて

あなたの気持ちは誰より誰よりわかっているよ

何も言わずにいてくれたこと
手を差し伸べてくれなかったこと
言葉でもなく笑顔でもない
やさしい気持ち 忘れないよ

ごめんね 悲しい気持ちに逃げ込んでばかりで
ごめんね 何も出来ずにいる方が余計にせつないけど

お願い手を貸さないで ひとりで立ち上がるまでは

何も言わずに見つめていて
つまらない意地を張る背中
はじめて歩き出す子供のように
すこしふらつく足元でも

何も言わずにいてくれたこと
だけどそばにいてくれたこと
言葉でもなく笑顔でもない
やさしい気持ち ありがとう

ひとりで立ち上がれたときには
ほほえみながら抱きしめてね 抱きしめてね



Everything

思い出してみればどんな時でも
ふと気が付くとあなたのこと考えていた
雨の日も風が窓をたたく夜も
こみあげてくるあなたの面影を抱いて眠ってた

ひとを好きになれば 誰でも同じ
目には見えないものばかりが欲しくなるもの
会いたくて からだがふたつに折れて
声もたてずにひざを見ていた長い夜

もう今は遠い昔のようで
笑ったことも やさしい言葉も
それなのになぜか今がいちばん
あなたのことが 近くに思える

思い出してみれば色んなことは
あなたがそばにいてくれたから出来たみたい
会いたくて からだがふたつに折れる
悔しいけれど 何もかも 何もかもありがとう

きっといつかこんな日が来ることは
出会った時に胸のどこかでわかっていた
ひとを好きになれば 誰でもきっと
心の中が知らないうちに強くなる

もうこれで何も待たなくていい
電話のベルも あなたの言葉も
もうひとりきりで泣かなくていい
帰らぬ恋を夜空に放して
いつものように笑ってみよう
すべてが夢に 思えてくるまで

思い出してみれば うれしいことも
悲しいことも すべてはあなたがいたから
会いたくて からだがふたつに折れる
さよなら そして何もかも 何もかもありがとう



流星の日(remix ver)

どうなるものでもないのに
預けた手を握ってくれて うれしかった
そのあたたかさで一生歩いて行けるとそう思った

どこへも行けやしないのに それでも
笑ってくれて うれしかった
そのあたたかさでどんな坂道も登って行けるとそう思った

半分だけの月が見てる
満たされる日は来ない

あなたに出会えた 今はそれだけ
この世のすべてに ありがとう

今宵は街に星が降って
今ならきっと言える

流星に願いを掛けた
どうかどうか このまま
沈黙を守る力を
背を向ける勇気を下さい

どうなるものでもないのに
預けた手を握ってくれて ありがとう
そのあたたかさで一生生きて行けるとそう思った

そのあたたかさを一生忘れないとそう思った
そう思った


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