『everything is passing』
2004年4月21日リリース

1.Keeping my step

2.風のかたち
3.情熱
4.Don't forget
5.Time is ripe
6.Passing
7.河を渡る背中
8.ありふれたグレイ
9.Fool in the Rain
10.Good Friend

全作詞/篠原美也子


Keeping my step

いつものように夜は明けて行き
目覚めるのは昨日までと同じ私
服を選び 化粧をして
駅へ続く道を急いで行く

追い立てるように過ぎ去って行く
時の中で古い夢など忘れ果て
悲しくもない 悔やんでもいない
ゆるやかな坂を踏みしめるように歩いている

一日は長く 一年は早く
時にはふと溜め息の中で目を閉じるけど
そんな時は胸の奥から
ほんの少しの勇気を取り出してみるわ

街にあふれるはやりの歌は
自由になれと やりたいようにやれと言う
いい気なものね 勝手なものね
何ひとつも救うことなど出来ないくせに

ありきたりなことと諦めることは違うのよ
Keeping my step,my stance 心のまま
自由はいつもそれぞれの色に染まるもの
Keeping my step,Keeping my stance
ありきたりなことと諦めることは違うのよ
Keeping my step,my stance 心のまま
自由はいつもそれぞれの胸に宿るもの
Keeping my step,Keeping my stance

いつものように夜は明けて行き
目覚めるのは昨日までと同じ私



風のかたち

最後の勇気も報われなかった
あなたは本当に立ち去ってしまった
あなたが好きだった夜明けの空の色
ひとりで見つめてる 眠れずにひとりで

つらいのはまだどこかで期待しているから
もしかしたらもしかしたら 思っているから
もう一度生まれ変わるそんな日が来たとしても
あなたをきっと選ぶ 迷わずに選ぶよ

何もかもがうまくゆけばいい
まだ見ぬ明日に吹く風が
かたちの無いすべての思いを
静かに静かに包むように

かけがえのないものは吹き過ぎる風に似て
抱きしめても抱きしめても すり抜けてしまう
薄い青に変わって行く夜明けの空の色
ひとりでは出来なかったことばかり思い出す
あなたが好きだった生まれたての朝の中で
確かなものなんてひとつもない だけど

風のようにかたちにならずに
過ぎてく思いを明日こそは
ひと言でいいから伝えたい
あなたに会うため生まれてきたと

何もかもがうまくゆけばいい
まだ見ぬ明日は胸を張って
それでも好きですと伝えたい
あなたに会うため生まれてきたと
生まれてきたと



情熱

この街にあふれるざわめきに背中向けて
肩で息をしてたあの日をあなたは思い出す
両手に抱えた訳の解らない思いたち
名前も付けずにただきつく抱きしめてた

春が来るたびに何とかしようと思っては
ひとつまたひとつ行き止まりの扉の前
あなたは目を閉じて街の風に吹かれながら
誰のせいにもしたくないと言い聞かせてる

はやりの歌はいつも誰かの駆け引きで
運び込まれてくる夢たちを黙って選ぶばかり

本当にこれでいいのかとあなたはそっとつぶやく
どうしようもないことだと誰かがささやく だけど
本当にこれでいいのかとあなたは今日もつぶやく
胸の中で情熱が今も出口を探してる

この街のあちこち作りかけのビル眺めては
かたちにならないもののことをあなたは思う
両手にあふれる訳の解らない思いたち
時代と流行が勝手に名前を付けて行く

明日の地図はいつも誰かに仕組まれて
中途半端なまま何もかも巻き込まれてくばかり

本当にこれでいいのかとあなたはそっとつぶやく
気持ちは解るよ 誰かが肩を叩くけど だけど
本当にこれでいいのかとあなたは今日もつぶやく
胸の中で情熱が今も出口を探してる

あなたは目を閉じてただ風に吹かれながら
この街のかたちにはまらないものを思ってる
両手にあふれる訳の解らない思いたち
答えにならずにただきつく抱きしめてる

ざわめきは今日も街の隙間を満たしてる
ひとりひとりひとつひとつは言葉にならないけれど

本当にこれでいいのかとあなたはそっとつぶやく
生きて行くのだからきれいなことは言いたくないけど だけど
本当にこれでいいのかとあなたはそっとつぶやく
どうしようもないことだと誰かがささやく だけど
本当にこれでいいのかとあなたは今日もつぶやく
胸の中で情熱が出口を探し続けてる
胸の中で情熱が出口を探し続けてる



Don't forget

寝呆けた頭で朝のホームに駆け出して行く
重たいまぶたを冷えた手で時折こすって
まぶしい朝日にショウウィンドゥのガラスが光った
瞳を閉ざして彼は不意に立ち止まる

忘れたつもりの夢たちがまたこみ上げてきて
しっかりしっかり歯をくいしばらなきゃ叫んでしまう

くだらないよと笑われて 熱い思い口にしても
この世界の勝利 彼の夢の重さ
選ぶことは失くすことに似ている
負け惜しみだと笑われて 言い返せずにうつむいた
この世界の正義 彼の胸の勇気
流されて行くだけ

何にもうまくは行かなかったね いとおしい日々
それでも自分で選んできたんだと胸を張ってた

仕方ないさとあきらめて 頷くよりほかなくても
忘れないで どんな生き方になっても
ずっとあなたを支えた愚かさを
くだらないよと笑われて 唇噛んでうつむいた
この世界の正義 胸の奥の勇気
流されて行くけど

寝呆けた頭で朝のホームに彼は立ってる
静かに静かに遠ざかる風景をその胸に焼きつけて
忘れない 忘れない



Time is ripe

思い焦がれた挙句の恋は どちらが悪いのかさえ解らないまま
水に映った景色のように無邪気な小石にはかなく崩れた
いつも放り出されていたから淋しくなんかはなかったけれども
伝えきれず終わった思いが今でも時をあの日に戻すよ
何か狂い始めたとすれば髪を切ったあの夏の日から
思い出すことばかりが増えて明日に向かう言葉はなかった

描いた夢のすべてから あなたの姿がひとつずつ消えてゆく

忘れてしまうのなら 今
心があなたを憎んでいるうちに
忘れられる時は 今
すべてがこの手を滑り落ちて行った

友達同志に戻れるような やわな間柄じゃなかったはず
差し出された右手を見つめて涙をこぼす気にもなれなかった
どうせ解ってくれやしないと思えばその分笑顔が増えたね
本気でケンカも出来ないようじゃ本当に好きになんかなれないのに

失くした歯車の跡を両手で押さえて それでも生きてゆくよ

強くなるのなら 今
瞳を閉じても背中しか見えない
強くなるのなら 今
すべての希望が通り過ぎて行った

その人は不意に訪ねてきた 何にも聞かずにゆっくり笑った
僕はきみの味方だと言った 嘘でもいいと思ったら涙が出た

強くなるのなら 今
すべてがこの手を滑り落ちて行った
強くなるのなら 今
すべての希望が通り過ぎて行った
強くなるのなら 今
見知らぬ誰かが きっとドアをたたく
強くなる 時は今



Passing

ひとりでいたらきっと泣いてしまう
こんな気持ちのままじゃ帰れない
言葉にも出来ないくらい切ない思いに胸がざわめいて
ほんのわずかな仕草に望みつないで
次に会える日 指折り数えてたのに
あっけないひと言に自分でもおかしいくらいに傷ついて
泣くのはよそう いつもより少し酔ってしまおう

いつでも口笛吹いて乗り越えられるさ
悲しまないで Everything is passing

誰かといたらきっと甘えてしまう
心の中をきっと見せてしまう
誰だって自分にしか解らない痛みにもがいているはず
知らない店ならどこでもよくて
安っぽいドアをゆっくり押せば
待ち合わせ待ちぼうけ そうね誰もが誰かを待っているね
ガラスの靴の片方だけしっかり抱きしめて

いつでも口笛吹いて乗り越えられるさ
悲しまないで Everybody is waitingsomebody

ひとりでいたら きっと泣いてしまう
声を聞いたら きっと強がってしまう

いつでも口笛吹いて乗り越えられるさ
悲しまないで Everything is passing
いつでも口笛吹いて乗り越えられるさ
悲しまないで
Everything is passing



河を渡る背中

あなたの夢を見た 遠くで手を振っていた
今どうしているのだろう 夢はまだ遠いですか

あなたが言っていた言葉をふっと思い出す
生きて行く それだけならどこにいても何をしてでも

流れて行くのか 流されて行くのか
いずれにしてももう選べない

暗闇に沈むこの河の向こう
数え切れない背中が目指して行く
それぞれに描く岸辺には決して
たどり着けないとわかっていても

私の夢はまだ遠くで手を振っている
生きて行くだけの日々はゆるやかですこし淋しい

恐れることより受け止めることね
強くなるよりも逃げないことね

暗闇に沈むこの河を渡る
数え切れない背中が力尽きる
胸の奥深く描いた岸辺に
手を伸ばしながら 伸ばしながら

あなたの夢を見た かすかに笑顔が見えた
そうねきっとあなたもまだ どこかでこの河の向こう目指している

暗闇に沈む幾つもの背中
たどり着けずに流れに呑まれても
恋しい誰かや 尽きせぬ思いに
たどり着きたくて たどり着きたくて
あなたもどこかで 私もこうして
この河の向こう目指す背中のひとつ

この河の向こう



ありふれたグレイ

はやりの服は好きじゃなくて
わざと知らんふりで歩いた
立ち向かうこと それが勇気
信じることはたやすいから

燃えるような赤に憧れて
声を嗄らして叫んでみたけど
燃え残る思いはいつも同じ
望めば望むほどに ありふれたグレイ

自分の色がわからなくて
届かぬ人は皆あざやか
強く見えるのは弱いから
隠していたくてひとりでいた

透き通った青になりたくて
クールな振りでうつむいてみたけど
水の中映る思いは同じ
選べば選ぶほどに ありふれたグレイ

流されること それも勇気
本当の気持ちに名前は無い
好きになりたくて 弱いから
どこにでもある生き方で

かたちの無い風を追いかけて
どこへだって流されて行けるよ
手の平の思いはいつも同じ
走れば走るほどに ありふれたグレイ
静かに息をしてる いとおしいグレイ



Fool in the Rain

アスファルトに落ちた涙のように見えた
突然の雨 静かに信号待ちの肩を染めて行く
見上げる空に残るわずかばかりの光はすぐに雲に隠れた

アスファルトを濡らす雨にも似た暮らしは
跡形も残さず深く流れ落ちて行くだけ
忘れるための日々 思い出せない昨日を重ね
残るものは 残るものは

本当は何になりたくて 本当は何に憧れて
心の中に今もまだ雨をついて走る愚かな夢を抱いて

立ち向かうだけの日々はいつしか遠く過ぎ去って
秘密を暴くように本当のことを突きつけてみても
真っすぐ過ぎる言葉は届くことなく傷つけるだけ
傷つくだけ いつも ひとりきりで ひとりきりになれない

中途半端な足元を責める言葉を聞きながら
心の中に人知れず流されまいとあがく愚かな夢を抱いて

時代を渡る小舟の数え切れない中のひとつ
どうせはかないものだと だからいとしいはずだと
行き交う車 靴音の波 見せかけの恋 本当の嘘
雲に隠れて見えない空を思い続ける 負けたくはない

アスファルトに落ちた涙のように見える
幾千の雨 すべての歩き始める肩に降り続ける

街にまぎれて行くけれど 風に流れてしまうけど
本当は何になりたくて 本当は何に憧れて
心の中に今もなお雨をついて走る愚かな夢を抱いて

Fool in the Rain



Good friend

恋人だったらこんな時は
夜明けまで抱きしめてあげるのに
強気の笑顔の裏側を
痛い程知りながら手を振った

ひとりになるまで痛みを見せない
あなたのそんなとこが好きだけど

何にも出来ないせつなさを
わかってよ時々は甘えてよ
誰かの悲しみにどうして誰もが
こんなにもこんなにも力が無い

仕方がないから溜め息つきながら
祈るみたいに夜空を見上げているだけ

今夜あなたの上に星が降るように
わずかな光が道を照らすように
あしたあなたの歩く空が晴れるように
悲しみの数だけ 喜びがあるように

恋人だったらすこしくらいは
わけ合える悲しみがあるのかな
恋人じゃないけど
You're just a very good friend of mine
ここにいるただそれだけ気付いていて

何もかもひとりで抱え込まないで
自分を責めるように時には他人を責めていい
仕方のないことだけ口にする夜があっていい
わかってる お互いさま わかってる

どんな気持ちでもひとりずつのもの
痛みさえもそれぞれの宝ものだから

差しのべられた腕をふりほどきながら
それでも風の中を歩いて行く
あなたの背中に親指を立てる
誰かがいること忘れないでいて

今夜あなたの上に星が降るように
わずかな光が道を照らすように
あしたあなたの歩く空が晴れるように
悲しみの数だけ 喜びがあるように


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