Fool in the Rain

アスファルトに落ちた涙のように見えた
突然の雨 静かに信号待ちの肩を染めて行く
見上げる空に残るわずかばかりの光はすぐに雲に隠れた

アスファルトを濡らす雨にも似た暮らしは
跡形も残さず深く流れ落ちて行くだけ
忘れるための日々 思い出せない昨日を重ね
残るものは 残るものは

本当は何になりたくて 本当は何に憧れて
心の中に今もまだ雨をついて走る愚かな夢を抱いて

立ち向かうだけの日々はいつしか遠く過ぎ去って
秘密を暴くように本当のことを突きつけてみても
真っすぐ過ぎる言葉は届くことなく傷つけるだけ
傷つくだけ いつも ひとりきりで ひとりきりになれない

中途半端な足元を責める言葉を聞きながら
心の中に人知れず流されまいとあがく愚かな夢を抱いて

時代を渡る小舟の数え切れない中のひとつ
どうせはかないものだと だからいとしいはずだと
行き交う車 靴音の波 見せかけの恋 本当の嘘
雲に隠れて見えない空を思い続ける 負けたくはない

アスファルトに落ちた涙のように見える
幾千の雨 すべての歩き始める肩に降り続ける

街にまぎれて行くけれど 風に流れてしまうけど
本当は何になりたくて 本当は何に憧れて
心の中に今もなお雨をついて走る愚かな夢を抱いて

Fool in the Rain