冬の夜

午前零時の新宿ステーション 煙草くわえたTaxi drivers
冷えた体を両手で抱きしめ黒いブーツは行き先決めかねる

声の限りに叫んでみたけど誰の胸にも届きはせずに
意地を張るなと肩を叩かれた 返す言葉が見つからないままで

流されてゆくのか こんな気持ちのまま
いつの日にも守ってきたこの思い

何に劣り 何に勝るのか
明日は幾つの言葉に従うのだろうか

折れてしまえば楽になるのにと優しい声が心を揺らす
お前のせいで面倒になると呆れた声が背中に突き刺さる
午前零時の新宿ステーションつめたい風になんだか泣ける
金も名誉も力も無いから信じるものも守れやしないんだ

流されてゆくのか こんな気持ちのまま
足を止めて息を吸って目を閉じる

この街のあちこちネオンの隙間に 届かない声の捨て場所探して
今夜も人があふれている
あきらめたくはない

何に劣り 何に勝るのか
かすれた声で叫び続ける
何に劣り 何に勝るのか
明日は幾つの言葉に出会うのだろうか