ひとり

何をしても誰かに似ているようでなぜか不安で
どこへ行ってもうまく話せない気がしてすこし恐くて
人込みをさけて歩けばどこか淋しい
ないものねだりの恋いつもくり返す

汗をかいたドアに押し付けられて今日が始まる
寝不足のまぶたに生まれたての朝はまぶしすぎる
反戦集会が一瞬 景色をよぎる
ターミナルまではあと5分 息がくるしい

たわいのない言葉に笑い転げてはそっと溜め息
巧みに隠された皮肉をよけながら時を過ごして
誰もみんなこんな風に生きているんだし
辛く思えるのはまだ甘えているからね

面倒な時には笑顔を浮かべて頷けばいい
疲れてるせいにしてはぐらかせるならそれも素敵ね
忘れることが出来なくちゃ生きてゆけない
胸にしまいこんだ夢がすこしざわめいた

肩をぬらして雨は続く
雲は厚く空は見えず
どうにもならないことばかり見える
雨は降り続く そして朝は来る

白い杖をけとばし改札へ向かう人の流れを
動き出した電車の窓から見ていた週末の夜
気にしていたらきりがない辛くなるだけ
それでも振り返る窓に映る私は誰

この世の中でひとり自分だけが間違いに思えて
傷つかない為に傷つける自分がとても嫌いで
道を聞こうとすれば声がかすれる
見上げる夜空は青 海に似ている

肩をぬらして雨は続く
ひとりずつの夜をたたく
どうにもならないことで泣きたくはない
雨は降り続く そして朝が来る

何をしても誰かが笑ってるようでなぜか不安で
言葉たちはいつかあやふやを愛して背中を向ける
忘れたくないことよりも忘れたいことが増える
見上げる夜空は青 海になりたい

肩をぬらして雨は続く
髪はふかずに傘もささずに
どうにもならないことを抱きしめる
雨は降り続く けれど朝は来る

肩をぬらして雨は続く
雲は厚く空は見えず
どうにもならないことで泣きたくはない
雨は降り続く
けれど朝は来る けれど朝は来る

雨は続く